選択肢にベストが無い時がある。
理由は様々、
状況としては、前提となる条件がどうにも整わないと考えていい
「資金が底をついている」「性別がどうにも男だ」「身長の問題でジョッキーも競艇も難しい」「いい歳すぎていまさらプロスポーツを目指せない」「空挺部隊を志願したいのだが飛行機に酔う」「外国で活躍したいが母国語以外からっきし話せない」「音感が無い」「懸垂が出来ない」「魚がさばけない」「毒キノコが見分けられない」
こんな時選択肢にベストが無い環境になる。
そこで選ばれるのは「二番手」で、この二番手“的”(番手は選ばれるまで決まっていないので)グループが「オプション」である。
こりゃ当然二番手なのでその選択はちょっと不快であり、「どこまでの不快がアリか?」で単純に選択肢の幅は広がるが、所詮二番手なので、不快に対する適応性があるからエライって事とかには関係ない。
しかし、生死を分ける選択だったらどうだろう?
この疑問はあたらない、生死を分ける環境に適応しているのが原始的な共同幻想で、「選択肢の幅がどうたら」等と考えている事自体生死を分ける選択が頻繁じゃない事を意味している(非常時には選択どころの騒ぎじゃないので、んな事心配しなくてもいいワケだ)。
オプションは「妥協的」とか「敗北的」とも感じられるが、ここで「自分を説得する引き出しをどれだけ持っているのか」が自我の力量になる、自我は自分に雇われたエージェントとも言えるので「選手の希望はともかく、今ある選択肢のなかで一番内容のいいオファーを出している球団との契約を説得するのも仕事の内」だからだ。
一見本人の利益に反するこの思考こそ、自我のオプション選択の時の仕事であり、本人に「どれだけの選択の幅を提供するのか」を決定付ける。
ここにも「直線的には自分に不利な内容(婉曲的には自分に有利)を飲ませる」という、矛盾する自我の在り方が見え隠れする。
さて、この時「どんな方便で自分を説得するのか?」だが、自分を説得する材料は「屁理屈、道徳、ハッタリ、おだてて、脅かして、じっくり話して聞かせる、理論(合理性)、芸術的嗜好(非合理性)、等々」これ、つまり何かと言うと、対人関係の自我の振る舞いと全く同じで(違いはプライベートな情報を握っているのかとかの、情報量の差)、自分を相手にする時の在り方と、他人を相手にする時の在り方が同じという点が、哲学系の鏡象論に被っている。
皮肉な事に、選ぶにあたって悩む回数が多いと(選択においてハンデが多い)自我はバトルプルーフされ、交渉力の力量が上昇する。「苦労は金を払っても買え」という言葉は、これを根拠にしていて、生まれたときから選択においていつも有利な環境にいると自我の鍛えこまれ方は中途半端になる事も十分考えられる。
物事は常に矛盾的な要素をはらんでいる証明のひとつだ。
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