これといった具体的根拠は無いんですが(精紳分析屋がこういう事言っちゃいけないか、、)、何でしょうね”何か感じるところがある”んです。
「首の細さが気になる」
アメリカ大統領ってある意味20世紀までは間違い無くマチズモ的象徴でもあって(シュワルツェネッガー米カリフォルニア州知事がメディア時代のマチズモ投影としては代表格だけれど)、クリントン大統領の辺りから変化は始まったのかも知れないけれど、ここに並行して国内世論にはネオ・コンサバティブ(通称:ネオコン)が台頭したのであって、アメリカにおける保守主義的傾向が衰えたのじゃない。
金融危機における新自由主義的な世界への批判にしたって、これ背景は保守的なものがベースにあるのであって、オバマ次期大統領の地滑り的勝利の背景には共和党への政策的批判があったのだし、イラク撤退関連でもこれリベラル主義的批判というより「何故アメリカ兵が犠牲となるのか」的保守系の批判も多いのであって、オバマ氏のリベラル的部分が評価されたのじゃない。
象徴的な例のキャッチコピー「Yes We Can」、
これ「I Can」では無いし(ケネディ意識した部分あるかもだけれど)、その米国の”We”は今大変な事になっていて、
勝利の背理にあるのは「米国民は変革を望む」って事だとされている。米国の”We”がオバマ氏を選択する事が既に「変革である」という象徴化。
でも、これじゃ勝利によって何かが変わったという印象にはなっても未だ彼は大統領として何か変えたのでもないし、目立った代表的政策やナンチャラドクトリンというような外交安全保障政策の旗印が大きく報道されてきたとは思えない(イラク撤退的話し合い路線ぐらい)。
そして現在の国際情勢は、今回の金融危機から連続して
中国経済「成長速度の確保が必要」 中国首相が雑誌に寄稿
【北京=高橋哲史】中国の温家宝首相は共産党理論誌「求是」の最新号に寄稿し、世界的な金融危機の影響で減速感が強まる中国経済について「ある程度の成長速度を確保しなければ、就職や財政収入などの面で困難が生じ、社会の安定に影響を及ぼす要素が多くなりかねない」と指摘した。社会の安定維持のため、高めの経済成長を守る姿勢を示したとして注目を集めている。
(NIKKEI NET 2008/11/04)
やっぱりなと、
そして
プーチン首相に大統領復帰計画か ロシア紙報道、報道官は否定
「2009年中にメドベージェフ大統領は自ら辞任。プーチン首相が大統領に復帰する」――ロシア紙ベドモスチは6日付トップ記事で、メドベージェフ大統領が5日の年次教書演説で大統領任期を4年から6年に延長することを提案した背景にはプーチン氏による長期政権シナリオがあると報じた。
同紙はクレムリン筋の話として、大統領は任期延長の憲法改正を自らの手で実現したうえで辞任し、09年に大統領選挙を実施する可能性があると伝えた。プーチン氏が立候補、当選すれば、最大2021年まで12年間(2期)大統領として君臨する道を開く。同紙はシナリオを描いているのはプーチン氏に近いとされるスルコフ大統領府副長官と指摘した。
これに対し、首相の報道官は「大統領が任期中に辞任する理由はない」と否定した。
(NIKKEI NET 2008/11/06)
やっぱりなと、
そんな中オバマ次期大統領の勝利演説から抜粋すると彼はこう言ってます。
オバマ次期米大統領の勝利演説
老いも若きも、金持ちも貧乏人も、そろって答えました。民主党員も共和党員も、黒人も白人も、ヒスパニックもアジア人もアメリカ先住民も、ゲイもストレートも、障害者も障害のない人たちも。アメリカ人はみんなして、答えを出しました。アメリカは今夜、世界中にメッセージを発したのです。私たちはただ単に個人がバラバラに集まっている国だったこともなければ、単なる赤い州と青い州の集まりだったこともないと。私たちは今までずっと、そしてこれから先もずっと、すべての州が一致団結したアメリカ合衆国(United States of America)だったのです。
私たちの前には、長い道のりが待ち受けています。目の前の斜面は急です。目指すところに、1年ではたどりつかないかもしれない。大統領として1期を丸ごと使っても無理かもしれない。しかしアメリカよ、私たちは絶対にたどり着きます。今夜ほどその期待を強くしたことはありません。
みなさんに約束します。私たちは、ひとつの国民として、必ずたどり着きます。
アメリカよ、私たちはこんなにも遠くまで歩んできました。こんなにもたくさんのことを見てきました。しかしまだまだ、やらなくてはならないことはたくさんあります。
アメリカの夢を取り戻し、基本的な真理を再確認しなくてはなりません。大勢の中にあって、私たちはひとつなのだと。息をし続ける限り、私たちは希望をもち続けるのだと。そして疑り深く悲観し否定する声に対しては、そんなことできないという人たちに対しては、ひとつ国民の魂を端的に象徴するあの不朽の信条でもって、必ずやこう答えましょう。
「Yes We Can」
(gooニュース 2008/11/05)
これは共同幻想回顧主義じゃないだろうか?
変化するにも「何をどう」ってコンセプトが全然浮かんでこない。それって漠然とした繁栄への夢想で終わったりしやしないだろうか?
そしてそれを行うのは”We”であって、彼じゃない。
そんな彼の「首の細さが気になる」、
中国(バブルで飛びそう)の不安定化とプーチン帝政(原油暴落で余計心配)、
国際テロって部分が縮小したとも思えず、国際経済の縮小による原油の暴落はアメリカの中東プレゼンスの必要性を後退させるかもしれないけれども、中東における経済問題が表面化すれば別の意味で不安定化は増すかもしれない。
日本は援護射撃するにも選挙があったにしろ政権が安定するまでこれから数年はかかろうかって状況だし、欧州の落ち込みも想像以上だ。
なんだかんだいっても最後の超大国アメリカの指導者の存在はそりゃ影響大きいのであって、そんな中、「Yes We Can」って空手形のような言葉しか彼の事はよくわから無い。
そう、「I Can」と言わないからどんな奴なのかよくわからないワケで、、
大丈夫か世界(笑
ここ杞憂で終われば何よりだけれど。。
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