話をググーッと変えるが、苦し紛れで違和感のある言葉が時々ある。
「いい返し言葉」
これを本気で読み取ってどうするって言われると何なのだが、意外と内容を分析すると教えられる事も多い
典型例:「今さえ良ければいい」
重要なポイントは、当事者間で「今」を共有している錯覚で、「今さえよければいい」という台詞自体が、あまり『よさそうじゃ無い』。しかしそれを「いい返し言葉」として使う当人の自我は、そのナンセンスさに苦笑するはずも無く、かなり真剣に「今さえ良ければいい」と言えてしまう。
自我の選択は、矛盾とかの耐性が強く、少々の矛盾ぐらいでは自分自身で違和感を感じる事も無いし、雰囲気や流れで発言者ではない当事者ですらその違和感を感じることなく、妙に納得する事もある。
なんで、こんな事が在り得るのか?
前に一度触れたが「自我には、現実と想像や思惑にそれほど明快な『境界が無い』」、自我の在り方は非常に特殊で、「判断」というテーマで考えると、動物の選択の基本は「過去の引用による予測」となる、「おいしかったものを食べる」「危険なところにはいかない」「季節が変わると移動する」「春に備えて、、」本能による判断と自我の違いは、複雑な後付けロジックの関与になる、言うならシンプルな予想モデルを反復するのではなく、無意識的な判断を含んで「シュミレートする器官」といえる。ここが典型的な自我の存立の矛盾『現実的』の原因(理由かな、、)。
『現実的』は『的』なんだから、そのまんま現実では無い、的だからさ『的』。
「知的な印象(本当にマジな知性に驚いているのではない)」「客観的な話(マジに客観だと幽体離脱)」「印象的な絵(既に絵なので印象ではない)」「典型的なスタイル(それがあてはまるのであって、今見たものが典型になる事は無い)」「根本的な解決策(解決策は根本ではない)」「驚異的な回復力(そういう印象で、看護婦全員が驚異したのではない)」。
『それ的』なのだから、『それっぽい』とか『それと同等』というところが「的」ってやつで、
「○○君、もっと現実的に考えてくれたまえ」
この回答は「現実ではいけない」「現実“的”」じゃなくちゃ、、。
何?的って何??
「○○君、もっと常識的な範囲で考えてくれたまえ。君に常識が無いと言うなら、“私の常識の範囲”で考えたまえ」
随分無理な話だと思うが、、
この的っていうのが、シュミレーションする自我の仕事上のフレームみたいなもので、「考えを投げた上司」は、この答えに応じて、自分も関係する形でやりとりしたいのであり、意味不明な返事が返ってくると上記の台詞となる。(自分が関われないので)
しかし、「どう思ったのか」は現実である。
その現実を覆す「現実的」とは?
ここが「自我には、現実と想像や思惑にそれほど明快な『境界が無い』」ってとこで、
自我にとって「『現実的』は現実より優先する」。
悩みや、脱出不能のパラドックスに陥る原因、又は知っているはずのアイデアが出てこない(思い出せないと同意)のは、現実=「何思う」より、『現実的』=「何とする」が自我では上位概念であるからで、これが超自我、つまり超自我とは「何とする」を決めている部分で、『現 実 で は 無 い』。
この部分には同じように「何とする」或いは「何と決まっている」という概念が親和性が強く、容易に潜り込む(原因は『勘違い』)。
話を哲学な人は何がしたかったのかに戻して見ると、わかりやすい。
「現実じゃダメなの?」
これ非常に疑問なのであって、「現実でいはいけない」という部分が気になり出すと(感じない筈の違和感を感じ出してしまうと)、そりゃ夜も眠れない。哲学なんてものの登場の動機は、この「現実ではいけないのか?」だと俺は考えている。
「我思う故に我在り」ってのは、「思ったとうりじゃ無いのなら、俺はいないのとおなじじゃないか?」への挑戦みたいなもんで、、
哲学万歳の話が目的ではなく、、この心意気は使えると思っている。
即ち、「何とする」や「何と決まっている」に対抗する手段は同じ手段が使えるのであり、随分前から変わり者が嫌ってほど考えていたものだから、捨てたものでは無い。(別段哲学を学ぼうって話じゃなくて、、)
謎ってほどではないが、自我とは矛盾する存在である。
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