2022年10月28日

『幻想論』「何故自我には概念(なになにであることの定義)が必要なのか」(1)

言語学や記号論などでコアなところは論議されている話かと思う、
そこんところを岸田心理学『唯幻論』を延長戦させる形で心理学的に突っ込んでみようという企画です。事の始まりは以下の原稿「子供はどうしてピーマンが食べられるようになるのか?」からだ、

ピーマンと子供(被害妄想なんて妄想は無いんじゃないかと思う)part1
https://kagewari.seesaa.net/article/492745543.html
ピーマンと子供(被害妄想なんて妄想は無いんじゃないかと思う)part2
https://kagewari.seesaa.net/article/492777614.html
<主要なとこを引用すると、part1から>
記憶の個別具体論を論じても大きな意味は無く(これが結果論には意味がないって話)
記憶の決定的な違いは「エピソード記憶か、忘れてもいい一般記憶か」の差異です。
(いいとか悪いとか、快も不快でもいいですが、「しょっぱい忘れてもいい一般記憶にはそんなフラグすら発生しないのだから」)
決定的なのは「(記憶の個別具体性では無く)エピソード記憶か否かである」
 ↑↓↑↓
心理学の原則:『快・不快原則』
(脳はそれが『興奮』伴っているかしかわからず、快か不快なのかの判定ができない)
「そらそうだ、明日それを快と言うのか不快と言うのかすらワカラナイのだから」
 ↑
何をエピソードとするのか(大事な事の定義)←これが自我の方向性を決定付ける
『共同幻想』論そのものです
エピソードの振り分けこそが『共同幻想』のコアなのかも知れない
(何を大事な事と認識するかを社会で共有している状態:《適応者とは=同調圧力により示唆される自我の方向性に、自分を同調させて揃えることである:適応させる》)

<主要なとこを引用すると、part2から>
主観的感情があるという感覚も、その時知ってる概念に投射された結果なのではないか?
快・不快分類前にはその時知ってる概念が(ピーマンは食べ物で美味しい)、さらにその前には分類以前の『興奮』が(刺激的味だ)、
更にその前には”非言語時代《自我以前》”の動物的認知(苦くてマズい毒だ)があるのだろう。
(快・不快の分類は自我が主体的に選択しているのでは無く、その時知ってる知見の範囲によって『興奮』が投射しやすい概念により展開しているのであり《典型例:人種偏見》、本音では無い。)
 ↑
さて、この場合「本音(『自意識』マター)とは何によって実存証明可能か」と考えた場合
「結果の独自性では無く、知見を獲得する時の独自性によってのみ証明される」
(●これは個人自由主義における『単独者』論を証明すると同時に、●地域性に限定して派生される「保守系ナショナリズム『共同幻想』の固有伝統性」も証明している。●更にグローバリズム全体主義の非実存性を証明する。)

「自我が言語によって動機形成を行う人類」←これをわかりやすく説明すると
欲求が即行動に直結する動物と違い(本能による行動)、
人類ヒト科は(生物学的仮説は進化の過程で本能が壊れたとされる)、それが可能なのは乳幼児時代だけであり(即ち全ての人類には動物だった時代の原体験もある)、以降は言語化された動機形成無しに行動企画ができなくなる。
「腹が減った」と認識できない場合、人類ヒト科は死ぬ。
 ↓
勿論体験上、言語化以前の欲求はストレスとして認知されており(無言で食べ物に手が伸びる行為であっても)「なんか腹減った」的なロジックが前頭葉に走っている。
 ↑
「腹が減った」と認識できない場合、人類ヒト科は死ぬ。
      ←ここを再解釈したものが以下だ
          ↓
       心理学的原則「退屈したら死ぬ病」
●この構造は、「動物的欲求をストレス信号で受け取った脳が、これを言語化により「動機形成」できない場合、人類は発狂する」というもので(ここでいう発狂とは”破綻”のこと)、

「動物的欲求を→動機形成に結びつく言語に投射することで→行動企画が行われる」
のだから、『動機形成に結びつく言語』の知見が人格の方向性を決定付ける(心理学用語では無いが一派用例で知られる”性格”のこと)=エピソード記憶か否かの分類=大事なことの定義=概念知見(なになにであることの定義)こそが人格を決定付ける。

■どういうルートで自我を構成する概念知見を得たのか?
この違いが、
・『共同幻想』適応人格
・「歩留り」偽装適応
・『単独者』(確信犯的再選択者を含む)
 ↑
上記三者の分類となる
(三種類しかいないのかとかなど意味のわからないこと言う人いるかもだが、「株主、経営者、従業員」など実際に存在する現象を便宜的にザックリおおまかに分けたものだ。)

●自我を構成する概念知見を地域や家庭や教育など権威社会(上下関係のあるピラミッド構造の社会のこと)から”同調圧力”話法で獲得したものは『共同幻想』適応系となる。
ねずみ講やマルチまがい商法のように、子会員→孫会員→ひ孫会員のようにこの同調圧力は連鎖反応を起こし、組織票を構成する。
※絶対の会話符合(riff):「だよね」「そうだよね」

●自我を構成する概念知見を地域や家庭や教育など権威社会(上下関係のあるピラミッド構造の社会のこと)からの”同調圧力”に頼らず(え、”そこは”違うんじゃねなど)、表面的にその”同調圧力”を社会的建前としては理解するが、本心では無く、「俺的には」として内心に個性的概念獲得体験をもつものが「歩留り」偽装適応系となる。
(普段は一切本音を語らない)

●我が道を行くで、概念知見の”同調圧力”をかけてくる権威性に「個人で対抗し」
「大事なことの定義=概念(なになにであることの定義)」←これを”独自に個人的体験だけで獲得し他者と共有しないもの”を『単独者』と呼ぶ。
他者と自分の論議を戦わせる(交わす)ことはあるが、同意や同調を求めない人。
(「だよね」と言われれば、まず「そうかな〜?」か「違うと思うよ」と返すタイプ)
 ↑
しかし『単独者』も、個別に獲得するとは言え”社会の中で生活しており”(社会性に逸脱することが目的では無い)、知り得る知見や個性化の分岐には限界がある(人類ヒト科の発想限界)、結果的には完全オリジナルは不可能であり(どんな独創的作曲家にもモチーフがある)、『単独者』だからといって社会性を喪失することは無く、「反動形成」のプロセスが発生しないので「実はあまり突飛なことはしない人格」である(半面常に常識を超えた発想が可能)。

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posted by kagewari at 17:17 | TrackBack(0) | 心理学テキスト「Why not」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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