2022年02月08日

映画『マトリックス』のリアリズムと、『共同幻想』論

映画観たこと無い人でもあらすじぐらいは知っているだろう。
日本のSF作品(特にアニメの)『攻殻機動隊』に影響を受けた作品だけど、
そもそも、現実世界が実は機械が支配する社会が捏造したシミュレーションだったというこの設定が、何故に広範な視聴者の中で”リアリズム”として成立したのか?

言うまでも無く”中の人”が知り得るのは自分だけで(しかも無意識領域のことは自分でもワカラン)、ましてや他人の”中の人”の脳内結界心象風景を覗き見ることなどできる筈も無い。
それを『共同幻想』である、言語という記号で情報を交わすワケだが(この段階で既に伝言ゲームと言うか、昨日見た映画の話を説明されるほどの乖離が発生する)、そこに正確性などあろう筈も無く(あんた実際同じ映画観ても各人感想違うぐらいバラつくんだぜ?)、
●自分自身が知り得る現実認知の限界は「自分の脳内に展開している(2Dの人もいれば3Dの人もいるでしょう)シミュレーション空間で仮想的に認知する心象風景でしかない」
 ↑
つまり脳内の”中の人”にとっての全ての現実は「脳内シミュレーション空間」ってこと
だから映画『マトリックス』は、いいとこついたねって面白さがあるんだけれど(現実世界で起きている現象がシミュレーションでは無い事を誰も否定できないのだから)、

そして大事なことは第一作目(1999)発表の時期が、
世界的に(この社会現象を知る『単独者』系にだけ限って)『共同幻想』崩壊が観測はじめられている時期だったってこと。
(『共同幻想』論を知らない人にとってそれは、映画『マトリックス』の設定そのものだった)
監督のウォシャウスキー兄弟が(後に性転換で姉妹となる奇人)、手塚治虫の「メルモちゃん」を知ってか知らずかww(赤い薬と青い薬)「真実を知るべきか否か」って筋立てとなっている。
 ↑
これね(赤い薬が世界がコンピューターのVRだと知ることだっけ?)
社会のネタバレに突撃するものは『単独者』
知らぬままインチキでもこの世界に生きていければいい選択は「歩留り」
ってな具合によーくできるんだわ。

■勿論、コンピューターが捏造するこの現実社会(実はゲーム空間のようなシミュレーション)
そこに登場するNPC(ノンプレイヤーキャラクター:non player character )とは、
説明しなくてもわかると思うけど、、『共同幻想』適応人格の事だよ。
(個として存在しておらず、何者かが《権威》設計した共有人格をインストール《社会適応》している)
 ↑
さて、お立合いここからちょっと面白くなる
サブカル大国日本の編み出したジャンル「異世界転生もの」
代表作「オーバーロード」にしても、どんな方向に進化しているのかと言えば?
ゲーム内で本来自立的行動などしない筈の(意思を持たない筈の)NPCがあたかも自我を持ち主人公達と人間として関わるようになっていくでしょ。
 ↑
これさ、『マトリックス』監督ウォシャウスキー兄弟気が付かなかった視点だよね。
『共同幻想』(設計されたゲームシナリオ)が崩壊し、あたかもNPCみたいだった”適応者達も”《場合によると自称”健常者”》ぞろぞろとネタバレに直面するなかで、「歩留り」覚醒していくワケだ。

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posted by kagewari at 18:42 | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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