『共同幻想』の始まりに、古代文明における天変地異や、他民族との争い、はたまた農業土木のための労働集約、田植えや刈り取り時の労働集約、などなど「総じて安全保障や集落単位の大規模事業」が挙げられます。
典型的なインセンティブの関係は、
「集落あげた大規模労働集約事業の最後に、収穫祭があり酒池肉林の大騒ぎ(インセンティブ)」
※同時にインセンティブの効きを増すため、平時の飲酒を禁じるような道徳の導入(これが何を意味するのかと言えば、集落の正規構成員にならない限り一滴の酒も飲めない)。
※加えて厳密に管理された酒造利権は=権力サイドの管轄となる(専売制など)。
社会学者テンニースの「社会進化論」ってのは、
(同時でインパクトのあった話と言えば)
産業革命であり、その後の経済のホワイトカラー化の推論であり、
「血縁村社会(ゲマインシャフト)」から経済発展により、自然現象として(進化論的に)「利権共同体(ゲゼルシャフト)」へのシフトが起きるとした(事実そうなって、先進国では第三次フェーズに移行している)。
●戦争や軍隊で考えてもわかりやすい、
『共同幻想』社会の超典型は”軍隊”である
厳しい規律や上下関係、ましてや軍隊内部での殺人など決して許されない。
しかし、いざ戦争になれば「部隊として大虐殺すら許される」。
(※大虐殺があたかもインセンティブのように用意されているという意味ではありません。軍隊における通常のインセンティブは個人ではとても購入できない高額高性能兵器をあたかも自分のもののように扱える悦楽です・及び出世した時の組織を動かせる権力。上記大虐殺のたとえは、時々戦場で起きるそのような事件が心理学的理論上”起こり得る背景の説明”って意味ね→それが《殺して食うわけでも無いのに》インセンティブと解されてしまう恐怖が戦争にはあるワケ)
逆説的に『単独者』とは、「人を殺すにしてもそれは俺の意思で決める(そしてその決断において外部に何らかの承認を求めるとか”あり得ない”→自分だけの意思で速断できる)」
(※インセンティブの事例で言えば、高度経済成長以降の先進国の場合、一般平民でも強烈に購買意欲をそそられる商材など無く《とっくににコモディティ化している》、そこそこの物品は個人でも容易に手に入れることが可能。権力面で言えば法整備が進むほどパワハラも御法度になりますから責任が重くなるだけで役得が増えることもない。←民度が低く第三世界レベルの某国のように腐敗が横行するのは社会が前近代レベルだからインセンティブが効いてると言える。)
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