2018年01月26日

『監禁症候群』について(2)

●『監禁症候群』と「イジメ事案」の相関図
※『ストックホルム症候群』とは長期膠着状態になったハイジャック事件において、人質が無意識に犯人に親近感や共感を感じてしまった得意な事例から論じられた話。

前回に引き続き『監禁症候群(勿論便宜上の”仮称”)』についての話です
『監禁症候群』が「エディプスコンプレックス」の構図を模倣する事で成立しているのだとしたら、『抑圧』下の自我は容易に閉鎖空間設定に飲まれてしまというようなところまで説明してきました。


言わずと知れた事ですが
『共同幻想』とは「舞台設定のような仮想空間」です。
現実はお芝居とは違いますが、『共同幻想』社会では登場人物設定と決め台詞などいくつかの”お約束”の中、「設定上の登場人物が言いそうな台詞を連歌のように連ねる即興芝居が行われている」と考えても間違いではありません(いい役悪い役や得な役損な役などクラス《階級》上位者が決めていく)。

【以下ポイントが重要】
本来「何かの縁で始まる『共同幻想』歩留り的オンザレール」や、「軍人や部活など自らの意思で志願して参加する」など、『共同幻想』社会適応であっても”選択的なもの”であり(ここに確信犯的再選択も含まれる)」、
『家族幻想』における子役を例外に、当該人物にはなんだかんだ参加の意思があって自らその舞台設定(見方変えれば特定閉鎖空間)に身を投じます。
上記の”選択性”は当事者が『反抗期』(現実アップデート)を通過した事により反証される。
(※故に、就労についての年齢制限もあるワケで、)
(※加えて、上記説明の「『家族幻想』における子役を例外に」←ここが特に重要)

と こ ろ が
■場合によればメンタル問題に発展もする「『抑圧』下の自我」の場合、
理由にもならない理由や、『抑圧』下であるが故に顕著ともなる「承認欲求」的動機により”強迫的に(フラフラと)”『共同幻想』社会と関係する”事情や背景”を抱えやすく(そうなりがちな背景事情がワンセットになりやすい)。
 ↑↓
どういう意味か補足します
『自意識』マターの『抑圧』が無ければ、主体性・独自性の自由がありますから、経緯はどうあれ「選択曲面は『自意識』判断」で決定されます(『反抗期』経過証明)。

しかし、肝心要の選択曲面の自由(自己責任所有権)が、『反抗期』アップデートの不全などにより十分に確保されていないと、(わかりやすく言えば何をするにも権威上位者や権威的概念の承認を求めるように)権威的に振る舞う人物や、権威的構造の社会や、権威的概念を根拠とする組織に(友達グループや学校や会社など)、無意識に追随・従属する結果(強迫的選択)を招きます。
(※「法律用語によく出てくる”なになにに対抗できる”」←のような役割は権限的に『自意識』にしかできない。)

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posted by kagewari at 22:34 | 心理学テキスト「Why not」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月17日

『監禁症候群』について(1)

あまり大きな声では言えないというか、注意も必要なのですが、
昨年「某監禁殺人事件死刑囚親族のその後」のようなドキュメンタリーがありました。
その中で(人権問題がどうこうの話では無く)、
死刑が確定している犯人が「監禁連続殺人犯行時、心理学も研究していた」という話があり、、
これは衝撃的でした。

思うに、本格的にフロイト心理学というのは考え難いため、
書店などによく見られる洗脳やマインドコントロールなどの書籍じゃないのかと思うのですが、
それでも(一般教養水準の)そういった書籍ほど『ストックホルム症候群』などの引用があるのではなかろうかと思ったのです。

※『ストックホルム症候群』とは長期膠着状態になったハイジャック事件において、人質が無意識に犯人に親近感や共感を感じてしまった特異な事例から論じられた話。


<問題提起も含めて>
この現象を広義の『監禁症候群』として説明してみたいと思います。
かなり広範に波及する話なので2回シリーズとします。

■「実は誰にでも身近な問題だった『監禁症候群』」
・締切間近な小説家が編集者にホテルに缶詰めで執筆活動
・厳しいトレーニング法と言えば?『合宿』
・明治から昭和初期の頃までに見られた子供に対する処罰は?
「ゴメンナサイ言うま物置などに閉じ込める」
・家庭教師を含む、集中的トレーニング法は「マンツーマン」
・暴力的先輩が後輩を呼びつけるのは?「ちょっと裏までこいや」

あれこれ考えるうち
「ちょっと待てよ」と、、
●強圧的な腕利き刑事の取り調べにおいて発生した「冤罪事件」
 ↑
これでしょうこれ、これこそ『ストックホルム症候群』の典型だろうと。

あまり大きな声では言えませんが、
鉄拳制裁でも有名だった「俺が育てた」で有名な某監督の手腕についても、
「ちょっと待てよ」と思うワケです。
体罰のアリな体育会系指導者の中には、(仮に刑事事件なら冤罪にもなり兼ねない)『ストックホルム症候群』における心理反応を「自分の指導手腕」と勘違いしている人物が無数にいたのではないか。
●勿論それは「育児、躾と称し昔から行われてきた行為」そのものであると。


<話は戻って『ストックホルム症候群』の仕組み>
こいつを分析します。
『ストックホルム症候群』とは「エディプスコンプレックス」の応用に過ぎません。
「エディプスコンプレックス」を仮想空間でバーチャルに再現するものです。
「エディプスコンプレックス」の発生要因は?
幼児には自主的に生存能力が無いので、権威者側が生殺与奪の権利を有する。
同時に幼児には「家幻想的空間」から、この関係から(物理的には家出)容易に脱出できない閉鎖空間として認知されている。
且つ、権威者側が(何らかの事情で)幼児側に強い関心のもと、快不快原則的関与を行う。
以上です、

わかります?
「監禁事案」にもっていけば、実行者は被験者に(あたかも)「エディプスコンプレックス」下におけるような(快不快原則)による誘導が可能となる。

し か も
『基本用語』の解説などでお馴染みのように、
快不快原則とは(脳が『興奮』を確認すればいいだけで)被験者に快として認知されても”不快として認知されても”有効である。
(注:被験者はコーチの体罰を「愛情があれば許される」などワケのわからない共感を示す)
(注:場合によっては被験者は暴力を振るう先輩コーチ監督を「恩師」として賞賛する)
(注:冤罪事件の時、無罪の罪で証言してしまう被害者は「強引な取り調べをする刑事に強要された調書にサインし、刑事に褒められる時に感謝さえする」場合すらある←だったような記憶あります)

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posted by kagewari at 17:31 | 心理学テキスト「Why not」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月12日

驚きました金正恩氏は思っていた以上にやり手でしたね

なかなかどうして、たいしたもんです。
金正恩氏は(トランプ曰くのパラノイアでは無く)、
CIA情報のとおり合理的判断のできる人物でした。

ある意味「一安心」です。
(唐突にパニック起こしてミサイル発射とかの心配は無くなったワケですから)

■北朝鮮は、韓国の心理を読み切って大胆な平和攻勢に出た
韓国の文在寅政権は(確信犯的親北派左翼)、これに歓喜の声をあげて飛びつきました。
思わぬところから、
過去記事:2017年05月05日の
朝鮮半島における武力衝突はあり得る
http://kagewari.seesaa.net/article/449600282.html

 ↑
上記記事中の(まさかと思った)「▲もうひとつシナリオ」に突入しそうです。

但しこの時の記事は最後に米中による武力制裁となってますが、
少々そこいらへんは違ったものになるでしょう。
そして、金正恩氏が北朝鮮包囲網の弱点「文在寅政権の心理」を読みきって、合理的判断による一手を打ってきたことは大きな変動要因です。


■■■そこで「▲もうひとつシナリオ」修正する形でザックリ予測してみよう■■■
(※以下は韓国文在寅政権が極端に斜め上に振れた場合の話なので最も高い確率の可能性を論じたものではありません。よく言う「ナントカのケース」を予想したものです。)

「話の前提から」
・南北対話の様子などから韓国青瓦台に北朝鮮への内通者がいることはほぼ間違いないだろう(大統領の思惑が筒抜けである)
・北は韓国を民族主義で凋落させ、米韓同盟の無実化を図るだろう(米国の演習は妨げないが韓国軍が参加を保留するなど)
・韓国の寝返りにより経済制裁に穴が空くのであれば北は国連主導の経済制裁解除を急ぐ必要が無い
・事実上のオリンピック共催演出や南北会談により多数の北工作員が韓国に潜入すると推定される
・トランプ大統領のやり方的に、韓国が上記のような対応となった場合(現在の中国の扱いと同様に)「北の核廃棄の責任は韓国にある(そういうこと始めた以上お前が責任とって核放棄させろ)」のような対応に切り替わることが予測される
・結果的に米国の対応は(韓国が責任をとれず北の核放棄になんら成果をあげられない場合)「韓国に任せた」のだから、決裂による北への武力制裁時に韓国の被害は無視してもいい(自分の責任だ)との判断へ
・韓国を抱き込む制裁逃れの影響により北のICBM開発は加速
・米国は当初の限定的武力制裁選択から、その内容を(核の使用を躊躇しない)全面的武力制裁のシナリオに切り替えざるを得ないし(韓国への配慮も必要無くなるので)移行させるだろう
・北がミサイル開発凍結も提案しても(北の約束は)何ら信頼できないことは”国際的な確定事項”なのでミサイル防衛を強力に推進(北から発射されるミサイルやロケットは日米同盟により無条件に迎撃する方針が検討)

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posted by kagewari at 03:16 | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月10日

基本用語のまとめ(9)『快不快原則』脳にとっての『興奮』

継続的読者の人はあえて説明を必要としていないのだろうけれど、
新規閲覧者の方にとっては「何のことですか」ともなり兼ねない頻繁に使用されるいくつかの用語を別カテゴリーでまとめておこうと考えたものです。
(重要項目なので予告なく編集される場合があります)


■なにやら『興奮』と書くと、喜ばしい状況が展開しているのか?などの想像されるかもしれませんが、そういう意味ではありません。
「ドーパミンなどに代表される脳内物質が分泌しているのか否か」の意味です。
脳にとっての快感代謝とは(”臓器としての脳”にはそのジェットコースターやバンジージャンプホラー映画がエンタメなのか本気で怖くて不快でしかないなどの判断はできないので)脳内興奮物質のいずれかが盛んに分泌され、関連する行動なりが企画実行されたのかが”全て”なワケです。
●胃腸が「食事そのものを美味かっただの不味かっただの判断しないのと同じ」ですよ。
 ↑
この流れを「欲求不満」というプロセスから見れば重要な事がわかります。


人間以外の哺乳類で考えた場合、
「欲求不満」というプロセスを最もわかりやすく観察できるのが「犬イヌ」でしょう。
ルーチンで求められっる散歩ができなかったら?
毎日ある筈の食事を連続で抜かれれたら?
下手したら、欲求不満により体調に異変をきたしたり、場合によれば飼い主に対して暴力的に暴れる事もあり得るでしょう。

そしてこの「欲求不満」のプロセスは、毎日の楽しい散歩でも過酷な北極海の犬ぞり業務であっても”解消”であるとか”完結”し(代謝)、
脳により充足感(欲求不満の消化)が確認されます。
事象に対峙する自我がそれを快であるとか不快であるとか直近の”感想評価”とそれは無縁・無関係なワケです。
(ここは人間が入浴や筋トレやランニングなどを課して実行した時に、その時には苦痛を伴う行為でも事後に「はーやったー完了〜、すっきりした〜」と事後的な感慨に移行するのと全く同じ。)


<語彙的には>
今回は専門用語的難解な意味はどこにもないので、
『快不快原則』:「快か不快など直接的な自我判断と無関係」に「臓器である脳が脳内興奮物質の状況などにより、欲求不満解消のプロセスが実行されているかの確認が優先される」在り様
『興奮』:そのままの意味(ドーパミンなどに代表される脳内興奮関連物質分泌の有無)

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posted by kagewari at 20:47 | 『基本用語』の解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月04日

「(昭和的)オンザレールな『共同幻想』適応自我」と「現代メンタル問題にもなり得る自我」構成の同一性

前回記事でこの辺補足説明が不十分であったかなと思うので、個別記事にまとめてみました。

自我構造論的には「(昭和的)オンザレールな『共同幻想』適応自我」と、「現代メンタル問題にもなり得る自我」の基本構造は”同じ”です。
●背景事情的にオンザレールな『共同幻想』適応ケースには事後追認的な『歩留り』選択が派生するため、社会的強迫関連の不安やエスカレートする『興奮』などありつつも”一定幅に収まる”ため、当事者に「メンタル問題と認知されることはほとんどありません」。
(※エスカレートする『興奮』の存在は、当時のエンタメにおける熱血ドラマのようなシナリオを多数派生させた。)

このように説明すると、
「にわかに信じがたい」思われる方いらっしゃるかもですが、
仮に現代社会において、
「自らはお国のために命をいとわず、国体に異議唱えるような輩がいれば躊躇なく暴力に及ぶ」人物が唐突にタイムスリップして登場したら?
 ↓
■実際にほとんど同じ状況が現実に発生した事例があります。
昭和世代には有名な「戦後帰還兵小野田さん」です。
(戦争終結を知らず、フィリピンに30年間潜伏しひとり戦闘を続けていた人物。)
彼は戦後日本の『共同幻想』を受け入れられなかったのか、一度ブラジルへ移住、
反戦どころか、その後右翼的活動家として帰国、東京で亡くなられておりますが(wikiなどにも詳しく記載あります)、
(※確かにダイ・ハードな小野田さんが当時においても異例な水準の確信犯的選択人格であったことも類推されるので、典型事例と呼ぶには違うと思いますが、彼が戦中『共同幻想』社会適応人格であった事は事実。)


同様に、国が違えば『共同幻想』も全く違うワケで、
近代以前に限れば『共同幻想』とは(近現代の法治国家へ連なる)「社会統治のための概念」であることがわかります(なので時代や国が変わると中身も変わる)。
(当時の左翼活動家には、小野田さんの振る舞いは「軍国時代の洗脳」としか思えなかったのでしょう。)

注:「(慣習法的)憲法と(名文法的)憲法典」の事例にあるように、社会統治の事情とは別に連綿と続く文化歴史が存在するのも事実であり(非幻想的歴史や文化の実存)、だからこそ「時代の都合ででっち上げられる『共同幻想』のナンセンスさ(ドグマ性)」は必然的に”現実から浮く”のであって、
現代で言えば、中東に発生したISってありましたね?
イスラム原理主義を標榜していながらその実態は本家イラスラム教研究者などから「おおよそイスラム教と違うだろ」な解釈満載で運営されていたことは説明するまでも無く(ISの『共同幻想』はテロリスト国家を形成する事が目的であるため)、
本物の文化伝統と(非幻想的歴史や文化の実存)、ご都合主義の『共同減幻想』は全く違うものだってところも大きなポイント。

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posted by kagewari at 16:04 | 心理学テキスト「Why not」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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