ここのところ延々と語ってきたところなのだけれど、世界的に安全保障情勢が極めて流動的になっている。
北朝鮮のブラフはイランの状況認識を狂わせ、
一時帝国主義的反動化を見せたロシアが急速に(危機感からか)米国と親密な関係に修復しつつあって、昨今の状況としてはむしろ「中国がイランと同じ間違いに突入したら国際社会は到底これを収束させる力を持っていない」に注意が必要なのだと思う。
アハマディネジャド大統領と護憲評議会ハメネイ師の二重権力構造は、それほど明確に表には出てないけれども北京政府と軍部の微妙な緊張関係と似ていて、
※この辺ピンとこない人もいるかもなんですが、
軍に配慮して北朝鮮への圧力をうっかり弱めてしまうと、国際的にも国内的にも首が回らなくなる可能性があって(ここのところ中国の軍事予算が軍拡として報道されていますが、かなりの部分は北京政府が”富の配当”として軍部に配慮しての”予算拡大”だと見たほうが自然でしょう)、ハメネイ師が軽率に一方的なアハマディネジャド大統領の支持と反対デモ弾圧に押し切った関係は権力基盤の曖昧さの中で”なんだか流れてしまっている”危うさがある。
イランの民主化勢力は実のところ同じ反米には違いなくて、護憲評議会ハメネイ師も神経質に弾圧する必要も無かったし、言論の自由を保証する方向でガス抜きした方が穏やかに反対デモも収束したでしょう(再選挙って手もあった)。
イラン大統領選:ハメネイ師、威信低下 再選挙否定で反発招く
この動きが結果的に中東における情勢としては米ロは対立しているほうが都合よかったんだけれども(とてもじゃないけれどロシアにもイランに肩入れするような状況ではなくなった)、なんとなく米ロが接近融和の方向の後押しした結果となり
ロシア、軍事物資の領内通過を承認へ 米軍のアフガン軍事作戦
イランの暴走は北朝鮮の瀬戸際外交にも影響受けているのであって(核やミサイル技術込みでイランと北朝鮮は親密な関係なのだし)、
イラン問題と北朝鮮問題は同一線上の問題であると共通認識ができつつある→続きを読む