2008年10月29日

紙媒体とweb

ひょっとして「手書きと打ち込み」ここにも差があるのかもしれない。
大きな差は”自由度”になる。
特にニュース媒体なんかで言える事だけれど、webの場合「続きを読む」なる表示方法等事実上テキスト容量の制限が非常に少ない。
紙媒体で言うところの編集業務におけるレイアウトや割り付けって作業が圧倒的にアバウトになる。途端に内容重視に傾斜するし(webでニュース確認する場合”ぱっと見”だけだと文字数多い方がコア情報で、簡略な表現になっているのは”ぱっと見”通信社からのまんまコピー情報かみたいにも見えるもので)、配信の速度も半端じゃないからデスクが厳重にチェックするって形式より速度重視・勝手重視の無検閲記事はブログ形式に(それこそHTML段階で予め割り付けされている)すればいいのであって、ニュースキャスター(といいつつただのアナウンサーの場合もあるけれど)が原稿ベタ読みする的情報の価値は下がる。
通信社的記事は、それこそ直接に通信社から情報を取ればいい。

この現象はメディア論的に世界がひっくりかえる級の世界なのであって、
場合によってはコメント欄的リテラシーも求められてくる。
(少なくとも最初からブログジャーナリズムに近い”社説”はコメント欄を設置して開放すべきだろう)

その時紙媒体は如何にあるべきか?
先行例が見えてきた
米有力紙が「紙」から事実上撤退 ウェブ中心に
(抜粋)
【ニューヨーク=立野純二】創刊百年を誇る米有力紙クリスチャン・サイエンス・モニター(本社ボストン)が来年4月から日刊紙の発行をやめ、ウェブサイトを中心にしたニュース媒体に変わる方針を28日、発表した。米国の全国紙が紙媒体から事実上撤退する初のケースとなる。

同紙は現在、平日の日刊紙とウェブサイトの両方でニュースを発信している。4月からは日刊紙を廃止してサイトの情報を拡充。さらに有料契約者には電子メールで一日一回、コラムなどの独自記事を届けるほか、新たに毎日曜に週刊紙を発行するという。同紙の日刊部数はピークの1970年に22万部だったが、現在は5万2千部まで減った。
(asahi.com 2008/10/29)

紙媒体は、「webの書籍化」的カテゴリから逆算して考えれば上記ニュースの「クリスチャン・サイエンス・モニター」の捉え方はヒットだと思う。
即時性優先のwebと違い、紙媒体はドキュメタリー的に時間をかけた調査報道としていくつかのトピックを掘り下げるように週刊誌的にこれを抑えていけば確かにwebとの共棲関係は望ましい形になるのじゃなないか。
PCの世界から見ても、DATA保存→の先にプリントアウト保存って概念があるのだし、
プリントアウトまでして保存しようって情報はおのずと限られたものになる。
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posted by kagewari at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月24日

『家族の報酬(2)』

思うに、近代以降現代社会直前の「核家族の時代」には、”家族”の概念には一定の「自由の象徴化」があったのだと思う。
現在社会における個人の尊厳時代の直前となるのだから、核家族の尊厳とでも呼べばいいか。
つまりこの時代の到来(文化住宅なんて言葉が流通しだしてから)の意味は、育児も夫婦で決めるとか子供の進路も”世帯”で決めるとか(ここに並行して天皇家の在り方が連動しているのがポイント)、封建的な世界からの脱却がそのイメージにあった。
しかし、突然正当性根拠を”核家族”に委譲されても、哲学も企業理念も未熟な”核家族(これ事実上家内性の法人と同じ)”は誰しもが革命家でも無いのだし、誰しもが政治的一家言のある世帯である筈が無いので、結果としては草原に放り出された格好になり、
『受験戦争』やら『一戸建て戦争』やら『分譲マンション戦争』やら(事の始まりは”三種の神器:白物家電戦争”)、ある意味未成熟な市場が暴走するように”大騒ぎな時代”を迎えてしまう。
その暴走する時代を背景に、家族の報酬と言えば「内輪」として運命共同体的な意味で”戦争における小隊”のような格好だったのかも知れない。
この当時受験戦争が勃発したのは、「同じように戦ってなくてどうする」みたいな一種の強迫(背景に競争社会に対する不安)がかかってのものだったんでしょう。
”一億総中流”なんてあり得ない妄想も、コアを失った共同幻想の姿そのままであって、それは『報酬を見失った時代』だったのかも知れない。

現実問題「敗戦」は、敗戦なんであってGHQによる占領以降共同幻想の再編は事実上不可能になったのだし(そもそも明治以降日本の共同幻想の非合理性は一杯一杯だったので再編も何も事実上不可能)、今でもそれが「憲法改正」だと信じている人もいるようだけれども、それは共同幻想どころか非現実的な夢に過ぎないんでしょう(政治的な意味は別個の話)。

日本にバブルが登場する「前川リポート(中曽根内閣)」以降、日本は事実上アメリカの占領から独立したと言えるのであって、当初その『報酬』は”バブルという金”で配当された。
つまり、その間さっぱり我が国の核家族には哲学やら企業理念やらもさっぱり醸成されてくる事は無くこの時にも金しかなかったワケだ。
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posted by kagewari at 21:44 | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月23日

『家族の報酬(1)』

共同幻想の史的連続性から見ていくと、原始社会においては共同体村社会が”族”としてバンド(集団)を組織として束ねる存在意義(レーゾンデートル)であり”共同幻想あっての集落”と考えていい。
そのコアはシャーマニズム的神話性であって、近代宗教の登場までは「ある意味それは禍禍しいものを含んだ生生しいものだった」と見ることもできる。
これ比較としては”よりワイルド”なんだと思う、
ここに王制を中心とする封建社会が頭角すると、この組織にはヒエラルキーが明快に成立し、王権は世帯を管理する権限を含む(極端な事例でいえば王の処女権・一般的には制度による婚姻の制限)ことで、正当性の怪しさの一部を強権によって代替する、
ここが後に王権神授説として近代宗教成立以降は、概ねどの国も政教一致(国教を定め)の形で王家と教会権威が一体となって国家を率いるまでになる。
これだけ共同幻想は歴史的推移の中で”幻想のままの正当性”から”目に見える権力や権限”によりその正当性を担保するように変化するため、反対に現世利益的水準に神秘性が下落するため、文明化に対する耐性を失う結果となる。

共同幻想における正当性というコアに対する神秘性の欠如は、組織的政治力(社会性の頭角)により置き換えられるため→「革命の時代が到来する事で滅びた」。
この間世帯は、系列企業とか王家の子会社のような位置付けで(ヒエラルキーによって下層階級にはそれほど明快な世帯の概念は無い)、○○家の権威が当時の権力との関係でリンクしていて(良家や貴族と呼ばれる存在)、ここも革命により解体、この報酬(正当性)も革命で民衆に収奪される格好で近代国家へと進む。

元来とりたてて正当性があったワケではない家族の報酬は、革命による特権階級からの収奪という格好で水平的に拡大し、文明化と並行するメディアの登場により情報交換の形で広がりを見せる。
しかしこの情報伝達には(それこそ、ニーチェのツュラツゥストラが語るように)「そもそも正当性を個別の意思で現世利益的に維持している行為が→摸倣により根本的に解体を始める」ままに、近代国家における「核家族化」として分解しより利益的組織(事実上中小零細企業)たるベンチャーに推移する。
先進国の場合、ここで発想の逆転が起こり『民主主義』として正当性は個人そのものにあると宣言され(人権・個人の尊厳の尊重)、正当性を各個人が表現する社会として正当性の在り方そのものが「独立・自立する個人」に投げ返される(ぐるっと回って元に戻る)事になる。
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posted by kagewari at 19:51 | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月16日

高寿命化時代を別の角度で考えてみる

「遺伝子が考える」みたいな発想は在り得ない話だと思うけれども、
寿命の伸張は間違い無く少子化を加速する。
これ心理的な意味でね、
実際メンタルな問題の局面は先進国特有の現象なので(発展以前の国家には保守的共同幻想の文明化による解体が進まない)、高寿命化は文明化同様先進国におけるファンダメンタルとして考えておかなくちゃいけない話になる。

そうなると『後期先進国(そんな言葉は無いけれど)』への社会学的シフトって側面には、民俗学的な意味での食文化の違い等国家間で格差が生まれる可能性もある。
取り分け日本が高寿命型国家であるのは間違い無い、

考えられる現象として、
おおよそ高齢者と呼べない『成人年齢(こんな言葉も無いけれど)』はどのくらいなんだろうかと考えてみれば、大きく個人差があるにしろ「16歳〜70歳」ぐらいの幅にあるのは確かで(昨今は70代であっても高齢者に見えない人も増えていて20年後ぐらいにはこの”成人年齢”が上限80歳になる可能性もある)、こうなってくると20代で結婚してしまうと
「まだ自分自身が現役バリバリな時期に孫ができる」可能性が大で、
ひまごが常識で、ひょっとするとやしゃご(5世)の可能性すらある、、
これね、世代交代であるとか自分の遺伝子を残す的発想が根底から覆されてしまう。
理由は簡単で「異世代後継者多杉」だからだ、

しかし出産年齢(これがどこまで伸びるのかは不明)には限界があるし、
旧来の世代認知で言えば「もう孫のいる年齢なんだから引退して後継者を」なんて時期に”まだまだバリバリに現役”だとすると、
「あれ、自分の後継者は自分でもいいワケか」となる。
技を極めるじゃないけれど、
『1世代で可能な作業量が明治時代辺りの倍になる』という現象が心理的に重大じゃない筈が無い。
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posted by kagewari at 18:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月02日

動機形成のプロセス

「さー何をしようか」とか、
「おっと○○しなくちゃ」等、
だいたいが何かを契機に動機は形成される、

思うにその契機が自意識を立ち上げ「ん?」と振り返るように認知が開始される。
何ていうか、人間は常に現実認知でバリバリって事も無いのであって(バリバリな状態を神経質とか呼ぶ)、平和な時にはのんびりしていて自然なので自意識は「呼ばれたときにサクっと立ち上がる」ポジションであればOKとなる。

で、「えーっと何々」のように現実認知が開始されるのだけれども、
つまるところ認知以前の現実は不確定でなければならない。
言語的には妙な表現になるけれども、不確定じゃなければ「えーっと何々」と現実を認知しましょうかってプロセスそのものの”動機”の腰が折れてしまう、
「自意識の立ち上げ時に抑圧が発生してしまう」

そもそもこの不確定要素が”自由”の根拠なのだから、
確定的であれば構造的に”自由”は喪失され(強迫)、
自由(程度問題を考えれば”自由度”でもいい)が無ければ、判断や選択って自意識の主な業務も閉店なのだから動機形成は不全となる。

んなもので、話は戻るけれども「何かの契機」には、ストレス信号も含まれるのだから(「あ、腹へった」等)「強迫構造即ち構造的な欲求不満」と言ってもいい。
強迫構造は快不快原則の世界の中で、興奮を伴う依存関係にある行為を追体験の形で”行為化”させるのでその欲求の過半は代謝される事に違いは無いけれど(よって投影が容易になるシチェーションを予め担保する必要がある)、強迫が構造化し慢性的な内向化があれば微妙な欲求不満も構造化する。
強迫構造には”舞台装置”が必要って事、
それは世界観とか認識の枠組みでも構わない。
シナリオ講座的に言えば『枷(かせ)』人物設定や物語のビヘイビアの事
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posted by kagewari at 23:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学テキスト「Why not」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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