2006年08月21日

例の『SAD』のCMありゃ大問題だぜ

あのCM見て、なんか嫌な感じしている人多いと思うけれど、「妙な公共広告だな」と思って調べてみた。
公共広告かと思ったのはとんでもない勘違いで、これ製薬会社がスポンサーのよくわからん団体の営利目的のCMだって事がわかった。こりゃ大問題でしょう、あのCMの演出は明らかに「公共広告のパクリ」だし、しかもキャッチコピーは「SADの可能性があります治療できます(当然投薬)」。
ここのブログで何度も説明しているけれども、心因性の悩みっていうのは広義で言えば『神経症』であって、狭義であっても『自律神経失調・躁鬱傾向・人格障害・分裂傾向』って大まかな分類があれば十分で、それさえ「診断する側の診療方針の標準化や均一化」のためでこれってもっぱら投薬する時の処方箋のためにあるようなもので、精神分析的には「ほとんど意味がない」。

「心臓が止まったので:心不全」とか、「本来なら特定の原因因子があるだろうに:風邪ですね」とか、そもそも病名ってのは診断する側の技術的分類で「そんな名前の“病気”が実際あるのでは無い」。
それだけでなく、投薬のほとんどのケースは(解毒剤とか血清とかワクチン、抗生物質等の所謂「特効薬」)「不快な症状を抑える対処療法」で、これまた不快な症状には「自己治癒のための免疫系の反応」まで含まれてしまうので(特に有名なのは風邪薬で、あれは免疫系の反応による「咳痰鼻づまり」を“抑えて”しまったり、ウイルスの増殖を阻むための「発熱」を“解熱”してしまったりする)、程度問題でそもそも本来治癒のための薬じゃなかったりするので、症状が緩和したのを治ったと勘違いすると余計に悪化する事もあるのはご存知のとおり(幼児等一時症状を安定させて体力の回復を待って体内反応としての自己治癒を促すのが本来の目的)。

病気の概念にしても、同様で「ナントカ病」とかの分類も主に症例による分類に過ぎなく、全ての病名に「ナントカ病菌」なんて原型があるのではない。特に心因性のものについては遺伝性のものやアレルギー性のもの以外はほとんど「厳密に言えば病気ではない」。しかし社会的な無理解(理解できたら心理学の専門家になってしまう)のため不当な扱いをうけるとこれまた問題なので、簡単に説明がつくように「鬱病です」等のキーワードが必要なんであって、そういう病因因子は存在しない。
心因性の悩みは、病気と言うよりもどちらかと言えば「骨折」とか「椎間板ヘルニア」とかの障害に近い。当然障害があるのだから、会社を休職したり或いは退職し回復を待つという意味の生活保護の適応等は必要であって「病気じゃ無いならナマケ者か」なんてナンセンスな論議は、既に一般的でさえ無い。

これもPCのソフトで考えれば一番わかりやすい
バグはウイルス感染によるトラブルではないが、「バグがありますよ」ってのをソフトに理解の無い人(会社や家族等その他大勢)に説明する上で「○病なんです」と説明する方が早いってだけ。
そして、バグの治療をまかされている組織の一つに病院があるのであって、事病院ってとこは「病気じゃないと患者として取り扱わない」のだから、何が何でも病名をつけなきゃならない(そうじゃないと「健康です帰ってくれ」と言わなきゃならない)。
しかもロジカルなテーマに属する心因性の問題を投薬でどうにかするって事はナンセンスで、本来「これは対処療法で症状を抑えているだけです、心因性の問題が発生したこころの問題は専門外ですからカウンセラーが対処します」とかのインフォームドコンセントが必要になる。
ところが、医学部サイド(理系)では心理学的文型分野が実証面で馴染まないため、ロジカルなテーマにパッチをあてる的なフィードバックを行うプロセスは存在しない。
対処療法が原則であるのだから、症状に悩む人を徹底的に検査して、特有の傾向が無いか調べる事が優先される、

ここに結果として「脳内情報伝達物質のバランスが崩れていますね」と、
そんなもんね、極度の緊張状態などの非現実的な精神的なストレス環境に長くいる人の脳内情報伝達物質のバランスが崩れているのは「当たり前だろーが」。暴飲暴食の結果高血圧で悩んでいる人に「太っているのが原因です」と言っているのと同じだろう、じゃ「痩せ薬(なんてないけど)」、違う違う原因は『暴飲暴食』でしょうが。
糖尿病なんかの生活習慣病とほとんど同じような日常生活に関するケアを必要とする話だってのに、これがなんで「投薬主義」なのか?

なんとだね、このSADのCMやらかしている製薬会社のサイト上に明解に記載があるんだなこれが、
「社会不安障害(SAD)がどうして起こるのか?残念ながら、その原因はまだはっきりとは分かっていません。」
オイオイ、わかってネーのかよっ
これで、SSRIでのセロトニンの再取り込み阻害なんてな本来脳内で起きている生理現象を対処療法で「形だけバランスとる」なんて行為には危険が伴うのは当たり前だし、他にも精神系の薬ってのは「ほとんど覚せい剤」も多く、薬を抜く時にも半減期に合わせて離脱症状(簡単に言えば「禁断症状」)を考えなくちゃいかんって事はある意味「中毒になる可能性を示唆している」のであってさ。
簡単に言えばメンタルへルス系の薬には「副作用の無いものが無いぐらいリスクが高い」、
そんな診療行為を「原因もわからずに治療と称して、製薬会社が売りまくっている」ってのはどうなのよ、しかも気味の悪いCM(あれは実際不安を抱えて悩んでいる人を傷つける内容だと俺は思う)流して『煽っている』んだぜ、
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タグ:メンタル
posted by kagewari at 04:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月14日

世間の熱が冷めた頃なので、今ごろ亀田問題を社会問題として考えてみる

なんと言っても事実関係についてはジャーナリストの『勝谷誠彦の××な日々』が詳しい。フジTVが○○団との関連でPRIDE関係者の出演を一切禁止し中継の契約を解除したいきさつをなぞらえて、大丈夫かおいTBSってな論調だ、
http://www.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=31174&log=200608
プロスポーツでも、○百長の無い聖域のような伝統を誇ってきたボクシング界もあの日に終わったと言ってもいい。
実際のところ協栄ジムに亀田三兄弟の興行権兼所属が「グリーンツダジムから3000万で競売」によって売り渡されるって話自体が、一体何が起こったの?なんだけれども、実際シナリオを書いているのは、TBSスポーツ局の菊池伸之プロデューサーなんだろう。

asahi.comの2006年8月11日の記事によると=======================================

ボクシングの試合は、所属ジムによって放送するテレビ局が決まる慣例がある。
興毅選手が所属していた関西のジムとTBSは付き合いがなかったため、関係
が深い東京の協栄ジムを通じて交渉。04年3月、第2戦を深夜に首都圏のみ
で放送することに成功した。その後、興毅選手は同ジムに移籍することになる。

TBSスポーツ局の菊池伸之プロデューサーは「ただのボクサーではこの視聴率
は出ない。亀田家の人間的な魅力が支持されているのだと思う。
とっぴなパフォーマンスも、彼ら自身が注目されてなんぼ、と意識してやって
いる。テレビの演出ではない」と語る。

TBSは今月20日に大毅選手の試合を放送する。興毅選手の初防衛戦を、大み
そかの紅白歌合戦にぶつけるのでは、といった憶測も飛び交う。前代未聞の騒
動となったが、「一般的には印象が悪かったことは確か。でも、テレビ局が判定
を左右することなどあり得ない。今後も亀田一家を応援していく」と
菊池プロデューサーは断言する。


==============================================================================

で、上記の紅白歌合戦での話を耳にしてカチンときたNHKは、あの世界戦の終了直後に「焼け跡から生まれたチャンピオン〜ボクシング 白井義男とカーン〜」を放送した。
わかりやすく言えば、○百長批判というか、ボクシングという歴史あるスポーツに対する侮辱と考え、これに反論する形での放映だったんだろう。

そもそも世界戦の前から紅白歌合戦裏番組での『チャンピオンとしての防衛戦』が事前に計画されえるのだから、推して知るべしだ。
そこに疑惑の判定と聞いて、ボクシングファンなら知らない人のいない協栄ジム、
あからさまな○百長は無かったのかもしれないが、それに人の心が糾合する紙幣がいろんなところでいろんな意味で飛んだだろうし、
あれだけ建設的な批判(決して中傷では無かった)具志堅氏は圧力がかかったのか「ノーコメント」だった。
それこそアメリカでタイトルマッチと言えばラスベガスなんだし、興行=ショーとしての側面がボクシングにも伝統的にあるのは事実なんだろう。

しかし、日本の国民性はこういった演出を嫌う、
視聴者としてバカにされた気分になるからだ(そんな事で喜ぶのだろうと思われている事に)、ショーとして確立しているプロレスを見てもわかる。随分と日本のプロレスは元々リアリティー重視で、アメリカで行われている演出は「笑うぐらいに極端で」どうにも日本人の感覚としてはついていけないものがある。
なので、日本ではプロレスでさえも時折「ほとんど本気の試合」すら存在した、
だからこそ、ボクシング等というストイックなリアルスポーツに求める公正さには、一種独特のものがあった。
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posted by kagewari at 01:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月08日

家族社会における心理構造の連鎖

“エディプスコンプレックス”
その名のとおり最初の発見は『ギリシャ神話オイデェプス王』から引用された「男の子が普遍的に持つ父親の象徴との関係」だった。女の子の心理的葛藤も、基本的にはこのエディプスコンプレックスを基本に考えられている(エクストラコンプレックスと表現されるのは稀)。
早い話、心理的な悩みの構造と家族社会は不可分の関係にある。
ここを短絡的に考えてしまうと「鬱などの心理的な悩みの原因は親だ」となるが、これは完全な間違い。
極端に認知を進めるときに、同様の考え方から入るのはアリなんだが、学問的には正確ではない。
ここのところの話も実にわかりにくくて、簡単に言葉にはできないのだけれども、順を追ってここを説明してみよう。

自我の中で脅迫(強迫)的ストレスとなる無意識下のイメージは「象徴的な権威」であったり「象徴的な正当性」のようなもので、このモデルが「ほとんどのケースで両親のどちらか乃至両者である」となるんであって、一次的かつダイレクトな関係ではない。
『幼児のデフォルメ』ってものは、子供時代に遊んだ公園が大人になって訪れると妙に小さな公園だったりするアレで、そりゃ当然『幼児』って、人類の標準から見るとやたらに幼児自体の存在が特異(人類の進化で起きた未熟児出産⇒「幼児化」を発端とするネオテニー)なのであって、本質的に極端な存在は幼児の側にある。
幼児のファンダメンタルに「夜泣き的不安」が普遍であるの事がそもそもの前提である事を忘れちゃいけない。

つまり「幼児と親」という、極めて特異な“社会性”が「ひとつ間違うと大きな葛藤要因になる」原因だと言ってもいい。

実際の葛藤構造の流れは
「自我構造=言語的未熟さ」は、両親の置かれている現実についてそのまんま認知する事が事実上不可能である。両親も個別に個人としての人生を生きているのであって、その人生の中で感じられるストレスを家庭内でどう位置付けるのかについて自分の力だけで考える事が出来ないケースがある。
この時両親の振る舞いは、幼児にとって「ただ不可解」なだけである。
※一般的なイメージの「幼児に対峙する親イメージ」が、笑うぐらいステレオタイプで、まるで自分の個人的本音が一切無いかのような滑稽なものである事を思い出して欲しい。「はーーいママでちゅよ〜」と言葉を発する人物が、本来多重債務に苦しんでる事等どうやっても合理的に関連付ける事は自我には不可能だ。
実は幼児は人間としての自我が未発達であるだけで、類人猿としての感受性は大人と大きく変わらないので、親が(たとえ言葉がわからなくても)「実は私ね」と自分の個人的な気持ちを吐露すれば「幼児はそれは何か自分なりに考える」のであって、その判断を幼児に任せればほとんど問題は起きない。
心理的な問題への関与で最も代表的な行動は『隠蔽』である。

しかし親は、育児イメージからまるで自分の個人的な思いは幼児に対して表現してはいけない(まるで幸せで何の問題も無いやさしい人物であろうとする)と思ってしまうケースが多いため、個人的な問題を余計にわかりにくい形で表現してしまう。
「失言」や「感情的破綻」だ。
ついさっきまでやさしかった母親(実は欺瞞)が、「うるさい黙ってなさい(借金の返済の考え事をしている)」と怒鳴ったとする。幼児は今起きた現実を自力で合理的に考えなくちゃいけない。
そ も そ も が
言語の未発達で、事情がわからないだろうって与件から、親は幼児語を話し且つ深刻な問題を隠蔽しているってのにそうすればそうするほど、幼児は「自分ひとりの力で消費者金融とは何か」を調査した上で認識しなくちゃいけないわけだ。
んな事絶対不可能なので、
「一体何が起きたのか」という獏とした不安に繋がる
不安は強烈な心理的ストレスなので、早急にこれを「解決可能な具体的恐怖」であったり「修正すべき教訓」に処理したいという欲求が生まれる。
「自分が何か“悪い”事をしたのだろうか?」或いは「この人は可哀想で自分が助けてあげなくてはいけないんだ」とか、
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posted by kagewari at 09:13 | Comment(0) | TrackBack(1) | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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