心理学と、動物行動学は切り離せない関係にある。
何故かって、フロイド的に言うならエディプス、岸田は「本能が壊れた」、とされる自我の出発点への角度の違う見方と「そもそも本能って何だろう」をいい加減にして話してもしょうがないからで、「果たして人間以外の動物に自我は無いのか?」を抜きに論議するのもナンセンスだろう。実際人間以外の動物も思考し戦術も使うし社会性もある、人間の動機形成と「本能が壊れる以前(直立歩行による脳の肥大、声帯の発達と言語、胎児の未熟児化の関係は不可避で、「直立歩行直後」の推定が無い事には自我の成立の過程が組み立てられない)」をどう捉えるかは最も重要だと思っている。
そこで、注目なのは動物行動学のコンラート・ローレンツ辺りって事になる、「パブロフの犬」で有名なワトソン派(よく知らないのだけれど)ではあまりにも実験のような特異な環境の観察なので、既に観察過程が恣意的で信用ならない。コンラート・ローレンツは動物の知性を非常に洞察深く研究していて、心理学への応用としては相性も悪くない。
彼は犬派で、その社会性の研究が参考になる。サルに関してもよく研究していて著書「攻撃」では、サルが自身の攻撃力に応じた「抑制行動(降参の合図で相手の攻撃衝動を沈静化させる)」を持っているところ(体力の強いゴリラは強い秩序を持つが、チンパンジーは大騒ぎするばかりで、角を持つ草食動物が見せるような「降参の合図(攻撃的な脳内物質が減少していると思われる。子供に似た振る舞いや、犬のように子供に似た振る舞い+「腹を見せる完全降伏」)」を持たない。補足すると、チンパンジーは乱交なので生存競争はむしろ精子の量であり、そのためにサルの中でも精嚢が大きい。又人類の生殖器、とりわけ陰茎の長さは直立方向によるメスの骨盤の変化に対応したもので、この長いオスの陰茎がエディプスに影響を与えている事は、人類の心理的な要因と人類の動物的な進化の関係を考えざる終えない。)から、「人間には牙も強烈な爪の打撃も猛毒もない(つまり降参のサインも、それを受容する感覚も無く)、この凶器を持ったこの二足歩行のサルの行動を抑制する本能レベルの抑制機能は最初から無い」と分析している。フロイド的な解釈としてはこの『武器(長くてデカイのが人気)』はエディプス的な反動形成の一部って事になるので、この2者の論議は人間の生い立ちを考えるうえで強くリンケージしている。
つまり、自立的に運営可能な能力以上の『衝動的な欲求』が人間にはある。そしてこの『衝動的欲求』のバランスは不安の鎮静と深いつながりがあり、不安に比例して『制御不能の衝動的欲求(=ストレス)』は肥大(誇大)化する、といえる。
不安の原型(アンチ原型論者なのだけれど、これは別の意味なので勘弁して)は、二足歩行による骨盤の変異で産道が狭まくなった結果としての、『未熟児化或いはネオテニー(生体の幼児化)』が『生きる事にあまりに無力な幼児という原体験=不安』を普遍的に人間は持っている、と定義する事ができるのであって、この生存不安の第一次投影をエディプスコンプレックスとするならフロイド心理学をリアルに捕らえる事が容易になる。
年中性交可能(繁殖期ではなく)である個体に進化した人類の意味を考える事で、性的な側面を分析の中心に挙げる(もっぱらその部分でキリスト教圏でフロイドは批判された)フロイドの心理学を「偏っている」と批判する事があたらない事を理解しやすい。つまり「脅迫的欲求である性欲を普遍的且つ継続的に持つのは、人類に限られる」のであり、本能が壊れ(サルとしての繁殖期型の性欲動は、成長の遅い幼児であることで挫折し、「性行為=繁殖」という強いキャッチコピーは人間には通用しなくなった)その制御を行動様式に持たない人類は、これ(=ストレス)を「モチベーション」と呼んだ。
この部分への思考はもっぱら岸田の解釈で、彼のフロイド心理学への解釈をとてもスムーズにさせている。
ボノボ(旧名称ピグミーチンパンジー)は、社会性の一部に「擬似性交」を行い(親子同姓幼児の区別無く)、チンパンジーは食事の後や興奮した時にこの擬似性交を行う。言語を持たない(四足歩行による声帯の問題も大きなハンデになっている)彼らの「コミュニケーションの手段のひとつ」である。又言語を持っていると推定されているイルカ(脳のポテンシャルは人間以上で有名)は「海に帰る型哺乳類(このアイデアで圧倒的な生存能力を身に付けた。環境の変化で「歩いた」に過ぎない人類と根本的なアイデアに差がある。これはその環境の変化や進化の過程そのものが違うので、同列には語れないが、違いは明解だ。)」であり、基礎的な生存能力が高く(「幼児挫折などの原体験が無い」。出産と同時に幼児は生体と変わらぬ遊泳が可能)その生存不安の少なさ(『生存自信』があると言ってもいいのではないか)がイルカが文明爆発因子を持っていない事を推定させる。
んなかんだで、動物行動学は人間を「動物として公平に観察する」足ががりになる。ことによると人間を高等だとか、地球上でもっとも優れているだとかの無理のある発想無しに、「随分変わった生き物で、何が面白くてこんな事をしているのか」という心理学の標準的なスタンスを保持するのにちょうどいい。
アリですら高度な建築技術を持ち、社会性や秩序もあり、社会の相互補完のために肉体まで同種内で変化し、社会的保育も行い大都市まで築く(アリ塚をスケールサイズから逆算すると途方も無い大都市である事がわかる。もし宇宙の重力の少ない所に人間より大きな身体のアリを発見したら、その都市を発見した人類は「そこには高度な文明があった」と報告するだろう。まるでSF小説のハインラインだ、、)、公平に見ていかないと、心理学は「身びいきの人間教」みたいに歪む。
2004年08月18日
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