2018年06月09日

「空耳と電波」(補足編)

うってつけの報道がありました。
これです
通行人にしょうゆかける 中国人留学生を逮捕 「悪口言われたと思った」
http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/180605/evt18060520350031-n1.html
<一部引用>
同署によると、韋容疑者は調べに対し、「自宅で勉強していたら、外で話し声が聞こえ、悪口を言われていると思った」と話しているという。男性らが、犯行後、自宅に戻る韋容疑者を目撃しており、逮捕に至った。
●典型的な「空耳と電波」です

やれ2chあたりでは彼がなんとか失調症だろうだとか、知見も無く適当な事言ってますが、
そういうことは「どうだっていんです」。
「空耳と電波」現象がどのような人物達の関係性の中でどのような証言を背景に発生したのか。←ここが全てです。
(※何度も言うように「空耳と電波」現象は誰にでもあることだからです)

可能性を考える上で有意な何かを挙げるとしたらですよ、
日本語に決してネイティブほど堪能では無い留学生の耳に人の声が聞こえていた。
 ↑
これだけで十分条件なんです。

人間の聴覚性能はどちらか言えば「たいしたことが無い」ので(猫より数段劣る)、
極論、殊更関係の無い人達の発言は(先読みシミュレーションの正確性など全く期待できないので)「どうとでも聞こえる」のです。
(※前段2018年05月24日記事において、私が《既に営団地下鉄の台詞がなんだかわかった後でも尚》「発車サイン音」がどうしても「発車”酸””イオン”」に聞こえるぐらいなんですから。)
 ↑
●重要な点「え?今なんて?」だとか「(仮に瞬間湯沸かし器的に激昂し)もう一遍言ってみろ(何て言ったの?)」などのように、聞きなおすプロセスが入っていない以上(先読みシミュレーションのできない赤の他人の発言は)、にわかに「なんつった?」状態に留まるのが人類ヒト科デフォルトの聴感能力限界です。

と こ ろ が
逮捕された留学生は、躊躇なく「醤油攻撃に出た」ワケですね。
どういうことですかこれは?
(「え?」とか「あんだって?」や「もう一遍言ってみろ」でも無く)
彼には、明解にはっきりと(本来正確に聞こえる事があり得ない屋外の赤の他人の会話が)日本語を正確に聞き取る言語能力も無いのに、”こうだ”と”断定”できる恰好で聞こえたって事です。
 ↑
このように”断定”できる能力は「強迫心理」の介在無しに”不可能”です。
●言い換えれば、人間の聴感能力上も、人間の脳の能力的にも、人間の自我OSの機能的にも、
「強迫心理」の介在無しにそのような状況における事実認定の”断定”は不可能である。

彼が特殊なのでは あ り ま せ ん
状況によっては、人間はそのような本来正確に聞き取れない筈の音声が明解に自分の悪口を言っているように”本当に”聞こえることがあり得る(彼が証人)。←ここが重要なんです。
「その状況が何かは特定できないが、同じ状況が再現されるのであれば、誰でも彼と同じように”そう聞こえた”だろう」←ここが重要なんです。

■(2chの無責任な書きこみじゃないけれど)いかにもオンザレールな『共同幻想』な人がいいそうな解釈に→「ワケのわからない言葉が聞こえる病気なんだろ」みたいなアホみたいな話がありますが、
(※前回のテキスト記載してますが、心理学的にはなんちゃら病やらなんとか症やらあれこれ障害などの分類には”全く意味が無く”、全ての現象は誰の自我においても起こりえるものである。)
そもそも論として、知見の無い人は”妄想”やら”幻聴”やら”電波”やらが何ぞやを知らずに語ってますからいい加減なものです。

全く関係の無い言葉が聞こえているとする。
ところが、
当該人物が何らかの病気で所謂(薬物中毒患者のような)妄想(一般用語的意味の)
により、
「自分の悪口が聞こえた」と断定可能に
 な る ワケ が 無い っちゅうねん
「その病気はシナリオライター的創造性を同時に発揮するんかい!!」

逮捕された留学生に、どのような「強迫心理」が、
どのような状況設定を背景に起動したのかわかりませんが、
●彼には明解に そ う 聞こえた か ら 躊躇なく醤油攻撃ができた
のであってだね、
聞こえたネタ元は(脳内先読みシミュレーションとして)具体的に存在するワケだよ、
当該自我にとってそれは妄想でも何でもなくって、本当にそう聞こえているってところがポイントなんです。

(てか「妄想って何か」の話になるとまた大変なので、これは次回やろう)

外を歩いていた会社員が、どんなトリガー条件を踏んだのかわかりませんが、
戦争後遺症としてのPTSDで考えりゃわかりやすい話です。
(ちょっとした刺激音でも身構え怯える事だってある)
■トリガーとなった条件にはいちいち意味は無く(あると言えばそこにいて留学生の耳に聞こえる何らかの音声を発していたぐらい→実際会社員がどんな会話をしていたのかなど無関係)、
現象としてそれが起きた事が重要なんです。
「それは有りえるんだ」ってところがです。
(※ひつこく繰り返しますが→前段2018年05月24日記事において、私が《既に営団地下鉄の台詞がなんだかわかった後でも尚》「発車サイン音」がどうしても「発車”酸””イオン”」に聞こえるぐらいなんですから。)

●醤油事件の動機には明解な合理的根拠があるって話じゃネーよ
そこは間違えないように。
岸田心理学『唯幻論』の大元の話になるけれど、
視覚情報も聴覚情報も触覚情報も味覚情報も、あらゆる人間の情報は「一度電気信号に変換され、あたかもデジタル情報のように脳内で再構築され、脳はそれを認知してます」。
見たものを見たまんま見える人間(生物)などこの世にいません。
一度電気信号に変換され、ほんの微小なタイムラグを経て脳内で再構築されそれを認知してます。
(ある意味人間の自我は”一瞬過去にタイムトリップした状態”で生きている)
極論、リアルタイムな現実を知覚する事すら”不可能”なんです。

し か も
この獲得情報を脳内で(デジタルを)ロジカルに再変換して初めて認知できる。
あ た か も そ れ は
絵画の授業でへたくそなスケッチを描くように、極めて除法劣化して再現される。
さ ら に
前頭葉のフラッシュメモリーのリソースから、パッパパッパとハイ次ハイ次とそれは情報圧縮されて(更に情報欠落しコンパクトにして)HDDに相当する脳の各部野に記憶情報として格納されていく。
(だから、被写体を見ながらデッサンするより、記憶を頼りにデッサンする事ははるかに難しい。)
(ちなみに「絶対音感や直感像」などのサヴァン症候群的特殊能力ってのは、128GBメモリ搭載マシンみたいな通常と違う脳の機能活用が行われていると考えないと説明できない。)

ここまでのプロセスに、
タモリ倶楽部における「空耳アワー」的な予断があった場合、
「本当にそう聞こえる」と思うワケ、
そ れ は
”錯覚では無い”とこがキモなんです。
脳内にある先読みシミュレーション機能が現実の音声を”上書き”しているんだから、
当該人物の脳では「本当にそう聞こえている」のですよ。
(厳密に言うと「聞き違えでは”無い”」)

■この話の用例的には「空耳アワー」の他にも代表的なものがあります。
『総統閣下シリーズ』
ヒトラ総統閣下がクリスマスについてお怒りのようです


総統閣下は「借りぐらしのアリエッティ」にお怒りのようです


元ネタは映画「映画「ヒトラー 〜最期の12日間〜」
総統閣下シリーズとは、この映画のワンソーンに嘘翻訳をつけたもの
本編 ヒトラー 〜最期の12日間〜(字幕版)(プレビュー)



現実認定における「強迫心理」の介在とは、
事実認定において(障害があるとか全く関係が無しに)、デジタルから脳内でロジカルに再構築中の情報に”上位概念”から「強迫心理に都合のいい台詞や解釈が上書きされる現象」であって、
実際当該人物の自我には(聞き間違えでは無く)本当にその音声が聞こえるんです。
(あたかも総統閣下の嘘字幕を読みながら動画を観ている時と同じように)
「そうだと言われれば確かに(本当にそう)聞こえる空耳アワーの時間がやってまいりました」そのままに。

でー、欧米や中東などの『共同幻想』事例だと、オンザレールな保守派人格の自我構造の場合「宗教教義や戒律」などの収まる同じ位置に、コンプレックスであるとか外傷性のショックであるとか幼児期の権威者との関係性におけるレバレッジ(反動形成)などにより(その都度事象の重要性から自我構造における設置位置の階層は上昇する)、ガバっと上位概念化した場合、
●「まず(事の是非を考える場合)真っ先に”上位概念”に照らして関連があるのか確認せよ、重要なのでゴリゴリに緊張して確認することと、それに気が付かなかったとか絶対に許されない」
 ↑
上記のような設定がハマるわけです。
(※法人で言えばコンプライアンス規定が収まる位置ですよ。←この自我構造上の位置を心理学では{超自我領域”と呼んでいる)

『自意識』には(制約も緊張もなく)自由に素のままで情報を認知することができない。
(本来の責任者権限と力を抑えこまれている状態)
 ↑
「できない」だけならたいした問題では無いのです。
指摘があれば、「なんだそうか」と気が付きますから。
(そもそも「え?なんつって」が起動するので、再確認によりadmin権限で『自意識』情報に訂正上書きが行われる。)

●問題なのは”事実認定が断定されてしまい”(アンタッチャブル化)
後から『自意識』に介入の余地が無い場合です。
「この判断は”上位概念”によるものなのだから、事実上外部の絶対権威者により確定事項化された真実(と同じ)だ。」←この注記が無意識下の脳内で走る。
 ↑
ここは前回エントリーの「事実認定における”断定”と「強迫心理」」で説明したとおりです。

■解除の方法は?
「そんな事実認定、この世に有るワケネーだろ」と声に出して宣言するだけでOKです。
(しかし、この言葉は「憲法9条教な強迫的人格の持ち主が、不都合あれば憲法改正すればいいじゃん」と発言するのと同様水準のハードルの高さなワケで、)
「憲法9条教な人に、世界の憲法論の学術的説明や合理性を話しても聞く耳ももたない(自我防衛抵抗)対応されてまったくとりつく島もない」と同じ結果となります。
●ど れ だ け 断定された 情報 の 現実可能性確率が 昨日宇宙人にあった可能性の何倍も低くてもです(宇宙規模に有りえないトンデモ論でもです)。
事実、某国の宗教保守派は現代社会でも「進化論さえ認めない」って普通の事ですからね。

しかし、それでも尚
「強迫心理」は概念に過ぎず(言うならばモーゼの十戒のように)、自立的に活動する機能を持たないので(石版に過ぎない)、『抑圧』リミッターのかかった『自意識』が秘書のように”断定文”を空耳口述筆記したものなので、その事実認定は全く合理性の無いトンチンカンなものになります。
(↑アブラハムの宗教のみなさん怒らないでね。あくまでもあくまでも比喩ですからね。)
●後は自己選択の問題です、
(てかそもそも精神分析などの答申をそのままの意味で読んでいるのであれば、強迫心理の後ろ盾となっている権威は”本来ネタバレ減滅崩壊”している筈で、、、仮に心理学的分析の後にも「個別具体的事案」を持ち出してあれこれおっぱじまるのだとしたら、その執着そのものが「強迫心理」名誉回復のためのリベンジだって事にもなり兼ねない。)

その難しさわかっていただけるでしょうか。
(そして心理学の理解は《知性などの能力的問題では”無く”》「人格適性がある事情」もおわかりいただけたかと思います。)
■「そんな事実認定、この世に有るワケネーだろ」と声に出して宣言するだけでOK
 ↑
言葉にすれば実に簡単なことですが、
それを可能とするハードルは高く、実にやっかいな話なんです。
「そこの導入も心理学でなんとかならないのか?」
ご指摘ごもっともなんですが、
この道独学30年選手の私でも「これだ」という手法を発見できずにいるのです。
(現段階での最先端の手法が「バカか俺技」)




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タグ:強迫心理
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