2016年04月24日

最近のエンタメ系異世界ものシナリオの変遷について

ライトのベルなどにおいて過去の「異世界に飛ばされ系ジャンル」(ほとんどこの業界では無料のweb小説などから後に出版となるパターンも多いため漫画界同様にパクリに関しては寛容で設定などの転用はリスペクトやオマージュとしてバリバリにOK)、
当初は何かの原因でゲームの世界などから帰ってこれなくなってしまい、その原因を探るのも主題ながら「最大の見せ場は現実世界に帰ってくるところ」つー筋書きだった筈なんですが、
「唐突に異世界」だけでなく「タイムリープ系」においても、
昨今現実世界に帰ってくるところは瑣末な問題でどうでもいいらしいです(笑

小説・映画・演劇・アニメに限らず、創作物はなんだかんだと登場人物の視点で語られるものですから(ストーリーテラー的枠役含む)、ドラマ性の無い日常を小津安的に描くほうが例外なので、総じてエンタメジャンルとして何も起きない日常を描いても仕方が無いワケですから、いっそ設定を異世界にしてしまうという禁じ手を用いても物語が面白ければいいのであります。
さて、関連する話に過去記事で「家族が登場しない・仕事をしている主人公が滅多に登場しない」などの分析もやってきましたが、今回は「異世界から帰ってこなくてもいいじゃないか」的な部分を考えてみようと、こういうワケです。

「かくかくしかじかの設定で面白い話」にはその時代の自我がなんとなく思う願望や現実世界への希望みたいなものが現れるのでありまして(そこに不一致があれば面白くないってことになりますから)、所謂「時代の求めるエンタメ需要」を知る手がかりになります。
(※昭和にスポーツ根性ものが流行したとか、所謂ロボット漫画には男の子のマチズモ的投影もあったのだろうとか、昭和ヒルメロ・エロドラマからレディコミの台頭へだとか腐女子の背景やら何気に重要なテーマかなと。)

■トンデモ宇宙論に「世界はプログラムされたシミュレーションに過ぎないのではないか説」なんてのもあるように、現実の客観性などというものに取り立てて実感などありません。
極論すると「寝て起きたら目が醒める保証」など誰にも無いのでありますが、そこは人間に関わらず経験的に視野外・想定外となっているだけで確率的に絶対が保証されるものなどこの世にありません。
さらに「明日目が醒めた世界は昨日と同じか」という検証も誰にもできないっちゃ〜確かにそうです。「唐突に異世界に飛ばされる設定」なんて話も、昭和における「異世界並みの秘境旅行記」と展開的には違いが無いって言えば違いは無いんですよね(笑

ここんところを考える上で重要なのは、
話のトンデモ方向性では”ありません”。
むしろ重要なのは物語としてのリアリティー(現実感)の方です。
たとえば異世界ものでも、飛んだ先の異世界の政治や文化の設定に無理があり過ぎると読者は面白いと感じません(感情移入ができないためです)。何気に緻密に設定されてこそ異世界ものは成立する。
一見空想ファンタジーとしてくくられてるのかも知れませんが(SFなんかもそうであるように)、あたるあたらないの鍵は”リアリティー”で決まります。


「だったら実現実世界の話でいいのでわ?」な元も子もないご意見も出てくるでしょう。
極論すれば「街頭監視カメラを見続けても(事件でも起きない限り)どこにもエンタメ性が無い」のと同様に、エンタメとはなんぞやと申し上げますと、
●「動機形成に関わる話」となります。
どういう仕組みかと言うと、
快不快原則として『興奮』は快感ジャンルであり、
そこから分岐する下部構造に「快感or不快感」の仕分けがあるのでございまして、エンタメ的に言えば「不快に思う人は視聴しないであろう」とくくれますから、エンタメとは「なんらかの興奮に突き動かされる動機形成とそれが行われるお話」となり、
視聴者は登場人物に感情移入することで、ちょびっと主人公と同様の興奮を疑似体験するという流れです(そこを面白いと認知する)。

ちなみにドラマは小説や映画だけではありません。
時にプロスポーツやオリンピックなどにおける偉業や人間ドラマに「こころ動かされる」なんて表現しますが、感情移入の構造は同じです。
この場合主人公は当該スポーツ選手となり「この人物の興奮と動機形成・その実行」を観衆として見つめることで同じ興奮をちょびっと擬似体感できるという代物です。

極端にわかりやすい例は「ポルノ映画から現代AVに至るエロ」ですね(数年前謎の流行現象となった韓流ドラマってのも同列現象でありましょう)。
観衆は自分が行為するワケではありませんが、その興奮を感情移入(=当事者気分)により疑似体験することでエンタメとして成立するのであります。

■さて、この時に何故にリアリティーが重要なのかと言えば、
「そんなの作り物としてもあり得ない」となってしまうと、感情移入のプロセスが醒めちゃうんですね(笑、お話だったり自分以外のスポーツ選手の話なので見ているだけの他人が醒めるも何も、「見せ物じゃネーぞ」なんて言葉があるように、関係無いのがむしろ自然なんですが、、
「見せ物となれば別」です。
その気にさせる(登場人物になったつもりにさせる)演出=リアリティー(ありそうありそう自分もそうなったら同じように興奮してガツンと動機形成するかもしれない)なんですね。

スポーツでもドラマでも、進行中のドラマにおいて視聴者の期待を超えるドーンとした展開があると更に視聴者の興奮は盛り上がります。
視聴するだけという少ない労力で(本来それだけの動機形成やその実行というのは大変疲れることでもありますから)ドカーンと実行される様を見ることができちゃうというのは一種のカタルシス効果と申しましょうかアリアリなのであります。
(※鬱病の対処として「渾身の隠し玉エンタメ映画を観せる」って手法もアリなのじゃないかと思いますよ、本気でそう思います。)

<ここでようやく主題に戻るワケですが>
■「異世界で大活躍(登場人物は現実世界に戻ってこなくてよし)」この設定があたるってことは、
「”この退屈な現実世界など戻ってこなくてもよい”というアイデアにリアリティー(実感)あるよ」が共有されている事を指し(この場合『共同幻想』ではありません「ベストセラー現象(権威では無く作品がカリスマ的だ的な)」の類です)、

若干論議が飛躍し過ぎと思われるかもですが、
この設定って「超寿命時代の先にある死なない世界(寿命の想定が曖昧になり結果人が死ぬ事に変化が無くても”その想定ができない”時代→逆に何時寿命がきてくれるのだろうか?的新しい不安ネタも台頭)」などという新時代の前兆なのではなかろうかと。
そういう時代になった場合「現世捨てる的な(100年後はもう異世界だし)『共同幻想』が自然に不成立な時代(『共同幻想』の賞味期限<人間の寿命)」のような状況を生きる事になるのであり、
そりゃ小説では極端に登場人物に都合のいい話になりますが、
「そんな異世界から帰ってこられないとか全然OKだから」という階層が増加中なのかなと。
(現在「どういう状況までアリなのか」異世界ものみたいなタグ関連として試行錯誤が続いてますよな側面あるのじゃないかなと。)

●さらにここって「登場人物が仕事してない設定」にも被ります
単純な「寿命と経済学の関係」です。
先進国のみでベーシックインカム政策が可能な原因でもあるのですが、
高度経済成長を経て先進国になる時(少なくとも50年以上かかるとして)、近代の寿命は50代から60代ですが、その当時を生きている世代(そこから見ると経済規模はうん十倍〜に達する)が寿命が延びて100歳以上まで生きると→うん十分の一時代から見ればトンデモ級の高福祉異世界にシフトしたような事になる。
そりゃ経済学です、100年前のトヨタ創業時代に購入した株がどんだけの価値になるのやら。
上記みたいな状況がマクロ経済として全ての国民に直接・間接的に成立するのが「先進国」です。

高齢になったら「続きは異世界アバター人生アリアリだ」
(極論生命の人としての肉体は捨てても「ま、いっか」)
若干被っていやしないだろうかって思うのです。

※荒唐無稽な話かと思っている方いるかもですが、
既に「年齢相応の否定(アンチエイジング)」この状況にどっぷりシフトしており、
年齢不相応な容姿やメンタルの維持ってこれ既にDNA設定の世界観を飛び越えているのでありまして(やれ60代のチアガールとか戦前にタイムスリップさせたら誰もその年齢を信用しないでしょう)、
高齢者になればなるほど、
自分の寿命を想像すればするほど、
”次”なる言語で表される状況は誰にとっても異世界みたいな事に既になってます(30代みたいな中高年タレントがゴロゴロいるみたいな)。
更にその状況は平たく誰にとっても「既に労働力年齢終わった後」なんですぜ。
(先進国が捗って、労働力年齢の概念を失い「成人から高齢者生活同様な生活選択もアリ」になるかもしれないってのに。)
 ↑
言うほどふざけた話をしていると思いません。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
コメント欄に問題となった同趣旨の投稿が続いたため、暫くの期間ブログのコメント欄トラックバックを閉鎖します。閲覧されている方には不自由となる部分もあるかと思いますがご了承ください。(再開までの期間は未定です)
詳しい経緯は下記リンク及びサイドバーコメントリンク表示の説明参照
コメント欄の削除があった件(関係障害について)
http://kagewari.seesaa.net/article/402054291.html


■私のミスで時折記事のコメント欄などが承認制になっていたりしますが(或いは昔の記事など)、現在のブログ運営方針が「コメント欄トラックバックの閉鎖」なので、仮に投稿があっても内容に関わらずもれなく削除となりますので宜しくお願いします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
posted by kagewari at 04:55 | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


comments他

・コメント欄は『公開掲示板』同様に原則削除禁止です
(基本的に削除依頼には応じられません、削除依頼は投稿禁止ワードとなってます)

・SPAM対策として一部キャリアからの投稿がIP規制の対象となってます
(同規制キャリアから登録抜けによる投稿がある場合、投稿は自動削除されると同時に規制IPに追加登録されます)



現在コメント欄閉鎖中 (2014.7.26〜)




kagewari01
タグクラウド
RDF Site Summary
RSS 2.0