2015年12月16日

米国のガンコントロール論

(凄く一部マニアの話ってだけでなく、心理学とはほとんど関係の無いエントリーです。興味の無い方は完全スルーでお願いします。)

私は過去ガンマニアだった人間なので、NRAの代理人じゃありませんが、ある程度彼らの意見には賛同するところもあります(銃が悪いのでは無く悪い奴が問題なのだ論)。
実際射撃場で実銃を撃つなんて状況になれば、銃の事をよく知る人ほど「身が引き締まる」じゃないけれども「危険物取り扱い責任者意識」みたいなものが派生します。
銃が文化として日常化する事自体には問題は無いと思います。
と、思いますが、
日本に実銃所持を米国式にするのが好ましく無いように、
(日本刀は随分アバウトな管理ですが文化が根付いている武器なので犯罪を誘発しないが、日本には銃が日常的にそこにある文化は無いため銃の所持を日本刀並みにルーズにしたら大変な事になる。)
米国の銃文化はもう過去のものでしょう。
その証拠に、様々な銃乱射事件で市民が自ら所有する銃で応戦したなりのケースがほとんど発生していません。仮に銃の文化が米国でも残っていれば(逆さまの話ですがアラブ社会も銃が好きでどこかしこにAKがあるのです←AKって町の鍛冶屋でも作れちゃうんですよ)誰かが応戦するなりの逸話があってもおかしくありません。
現代の日本に「日本刀二本差しで歩く人が滅多にいない」ように、現代米国社会で普段から銃を携行するなんてのは一般的でもなければですし、第一過半の州において銃の所持は合法でも携行は違法です。
米国でも「自分の家を守るための武装」は想定にあっても、市民が銃を携行して大立ち回り云々って想定はありません(西部劇の時代だって町の治安を守るのは保安官な訳で)。

唐突に市街地で銃撃戦があるって状況からして「銃文化の破綻」です(戦争じゃないんだから)。
欧米の銃文化だって、日本の武士ほどじゃないけれど「やたらと銃をホルスターから抜くもんじゃない」厳しい文化となってます(撃つ気が無い時には間違ってもトリガーガードに指を入れるな・銃口を向けるな←そういう事を知らない奴が失礼な振舞いした時には撃ってよし)。
所謂NRA(全米ライフル協会)の護身想定にも無い筈なんです。
そして銃の氾濫が銃撃事件の一因となっているようならガンコントロールをやるのが筋論でしょう。
米国だってガンマニアにもなれば、プリンキング(小口径銃の気ままな射撃)なんて射撃スタイルがあるように(ファクトリーロードの実弾は高価ですから)バンバン大口径の実弾を撃とうなんて輩はいません。自分でリロードしても弱装弾にするのが一般的です(フレームにガタきちゃいますから)。
射撃場で高価な44マグナムなどバンバン撃っていれば、「金持ちだな」とうらやましがられたり「音がウルサイんだよ」とクレームがきたりします(アホみたいに大口径撃つ事は少なからず嫌味だって事)。
仮に強いガンコントロールが施行されてもコアなファンが困る事は無いでしょう。
(日本の銃刀法を参考にすれば、大口径ライフルの所有は「10年など長期間安定所有者のみ・ハンティング用のショットガンは弾装3発まで・拳銃の所持はオリンピック選手みたいなのを例外に一切禁止」。)
日本の銃刀法を参考に、米国式のガンコントロールを考えてみると、
「オートマチックの拳銃所持禁止(ガバメント45口径シリーズなどシングルカラムマガジンの骨董枠機種は例外・6連発のリボルバーは可だが子供のいたずら防止のため別途トンチンカンでも安全装置を付ける)」「ショットガンの弾装3発まで」「ライフルの所持はレバーアクションかボルトアクション限定」「自動小銃(オートのライフル)所持・射撃全面禁止」「15歳以下の射撃や銃の所持禁止(15歳以下の実銃は高級エアーソフトガンという認識でOK)」といったところでしょうか。

ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)のケツ叩けばバシバシ取締りするでしょうし、FBIも日本の暴力団取締り手法を真似て、組織犯罪の検挙を銃刀法所持を端緒にバシバシやれます。
違法薬物取締りも銃の不法所持からしょっ引くほうがやりやすいと思われですから、
どうでしょうか、キチンと説明すれば(自宅で回転式の拳銃所持はOKなのだから)NRAも賛成するのでは無いかしら。
思うにNRAが心配しているのは、過去「ガンコントロールしようって時のアイデア」かなりの部分に銃に明るくない人の考えるピントの外れたものが多いとかって部分もあるのではなかろうかと。
いっその事、NRAにガンコントロール案を投げてみちゃどうだろう。
(JASRACじゃないけど、米国じゃコルトが倒産だとかそんな話もあるんだしさ。)

極論、米国のガンマニアの間にも「日本の高級エアーソフトガンも実銃じゃん」なノリがあるのでありまして(銃砲店で売っていたりしますし・軍も訓練で普通に使用してます)、
日本でも許可されている狩猟用のライフルなどは例外としても、拳銃に関してはかなり大幅な規制かけてもそれほど表立った反対は無いと思いますし、少なくとも自動小銃の所持を合法化する理由は無いでしょう(現在でも自動小銃は多くの州でセミオートまで可でフルオートは違法)。
果たして、それで銃撃による殺人事件が減るのか未知数ですが、
前述のとおりで、同法案により取り締まり当局が別の目的(広域犯罪やテロ対策)においても動きやすくなるのは事実では無いでしょうか。
(マフィアの取締り時代のとっかかりが禁酒法だったみたいに。)

話逸れますけど、ガンコントロールの試案関連的に、
攻殻の台詞じゃありませんが、
「ツーマンセルでもジャム(動作不良)が怖いか」なんてオートマチック信頼性ネタがありますが、
いえいえ「オートマチックのジャムは怖いです」。実際頻発します。
中段説明の通りで、普段からファクトリーロードの実弾撃ってたらフレーム壊れちゃうんです。
(拳銃と言えばほぼ全てがオートマチックの欧州は「米国に比べて日常的に銃を撃つ習慣が無いのではないか」と思います。カートリッジが正規パワーのファクトリーロードならほとんどジャムは起こらないですから。)
同じ口径でも銃弾は会社や仕様でまったく中身別物ですし、日常撃ち用に個人が弱装弾をリロードした場合などオートマチックは頻繁にジャムします。
(ついでに言わせてもらえると、拳銃のオートもライフルのオートも「可動部分にガタが必要なので構造的に精度が悪く→当たらネーんだよっ」。市民が護身時にダブルタップで連射するとか考え難いので性能的にも装弾数的にもリボルバーやボルトアクションのが正解だと思います。)

NRAもよーくご存知なんですから、自己防衛用の銃の所持は(それこそ米国の銃文化を踏まえれば)それこそ信頼性から「回転式(リボルバー)」として、「ライフルの所持はボルトアクション限定」に異存無いと思うのだけれど、どうなんでしょうね(新しく38口径でペットネーム”シビリアン”のリボルバーを販売するとかのがよくないですか?)。
皮肉な事にオバマ大統領のガンコントロール演説後も『銃の売り上げは絶好調』のようですが(銃の携行を薦めている保安官事務所もあるそうです)、今回エントリー記載のとおりで「頭数さえ減らせばいい」みたいな論旨じゃ「ノーベル平和賞な人は満足」かも知れませんが、実効性に乏しいと思います。
(アンダーグラウンド含め米国社会から銃が無くなる事は無いのだから。)

左翼な人のネトウヨ偏見じゃないけれど、そっちの文化でやっている側にはそっちなりの論旨があるのでありまして、何か法規制をするのであれば行政の側こそ「文化的背景」をしっかり踏まえたものでなければ実効性の無いお題目になるだけです。


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posted by kagewari at 22:56 | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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