2015年10月04日

『平等論』(2)

さて、前回の説明に引き続き。
>ここまで説明しても
>「私は特別な待遇を求めていない」だとか、
>「個別の結果論に意味は無いことはわかるが、特定の結果しか得られない状態は被害と言うのじゃないのか(選択の余地が無い)」だとかの反論が(鉄板でその間違いが論証されていても)、ずらずら出てきているのだろうから、次回にpart2としてもう少し具体論を書きます。
>
>たとえば、被害実体が疑いようも無く介在するPTSD事例あたりから話しを始めると(今回の『平等論』と話の前提は同じになる事が証明されるので)、幾分かわかりやすいかもしれない。


■100%論証の必要の無い「絶対被害実例が確定のPTSD事例」、
運不運評価からその非選択性まで確実に”被害者でしかあり得ない事例”においても前回の平等論が鍵となります。
(そもそも世界で最初にPTSD症例などの話が出たのは第一次世界大戦に徴兵で”非選択的”に兵士となった「帰還兵の戦争後遺症として」ですから。)

冒頭の「ありそうな反論」から言えば、負傷や戦火の凄惨な状況に出くわす事無く戦勝国の市民として普段どおりの暮らしをしている市民との比較から「私はどうしたらいいのでしょうか(私ばかりが損をしている)」という着想になります。
(事実ベトナム戦争後の帰還兵は何食わぬ顔で反戦運動などしていた母国の状況の中、PTSDが悪化し、、後にデ・ニーロ主演『タクシードライバー』に始まる様々な映画のテーマになってます。)

■PTSDにおける心理学的アプローチは「事実を”事実としてだけ”切り分けて向き合うこと(ネタバレ効果)」です。カウンセリングなどにおいて強度の第三者が介在することで(善悪の判断含むことの良し悪しを持ち込まない聞き手・完全な中立者)過去を吐露する事のハードルを下げ、何があったのかその事実を確定していく作業になります。
その認識時に相談者が事象に対して善悪や良し悪しの印象を持ち込まないよう「事実だけ話す」状況を作り、話す事によって”始めて”印象やイメージや憶測や先入観や罪悪感や後悔などの様々な感情的フラグ抜きで「何があったのか」を知ることができます。
ある意味、カウンセラーはその場を提供するところが(善悪の判断含むことの良し悪しを持ち込まない場を提示する)、重要になります。
更に、当時の行動なりの聞き取りから「不明確な点」を深層心理交え分析し、事実関係から感情的フラグや固着を切り離していきます。
PTSDに悩んでいる人は、反動や強迫心理などの「エスカレート構造」が自我に発生してしまっていると考えられますから、ある意味「当時何があったのか事実関係を知っているのに、脳に認知される記憶の種類や認知の構造によって、話が違うスケールに及んでいる」状況にああるからです。

所謂新聞における社会面や報道などで、私達は様々な凄惨な事象を知り、時に目を背けたくなる映像を見ることもあります。しかし、ホラー映画を見た後でひとりが突然怖くなる人とそうでない人の差異があるように、その情報が脳内でどのような処理が行われたのかによって「自我が体感する情報の効果やスケール」は全く違ってきます。
重要なのは「印象がエスカレートする場合がある」という点です。
特に、PTSD症例の発端となる事件や事故や災害や戦争の場合、その状況で冷静でいられる人物などいません。感情的にも興奮状態にあり反動や強迫心理などの「エスカレート構造」が自我に発生し、認知されたまま常に自我を脅かすなどの発生可能性は高い確率になります。
前述の報道の話のように、目を背けたくなる状況などでたとえば当該自我が「ノーコメントに陥る」ような状況だと、その事象をロジカルに説明できる人物がいなくなります。
何があったのか(認識レベルで禁忌となり)語れなくなるという意味です。
エピソードにリンクするのは当時の興奮や極度の忌避などの感情的フラグとなり、ロジックにより成りたっている自我にとって、この記憶は”コメントできない印象やイメージのまま”当時の感情的フラグが固着した複合状態で残存する事になります。
動物の脳にとって、上記のようなエピソード記憶は「外敵や捕食獣に襲われた時」などに発生する”アラーと的な重要事項”となりますから、今後の危機回避の教訓とするためにも脳の情報処理構造上「簡単な連想でも即座に再生される情報」として格納されます(所謂フラッシュバック機能です)。

ですからPTSDの場合、それが日常発生していて今後も嫌ってほど繰り返すのが予見されていない場合、前述の動物の危機回避記憶では”無い”のですから、「そんな事があったのです」と後に語られる事により脳は「大変な事だったが現在再現される確率は低い。過去であり終わった。」と認識し、いつでも映像再生可能な情報として貯留するのでは無く、過去フォルダに圧縮格納されます。

■つまり、
PTSDの事例から言えば、
総じて神経症の枠内で発生するメンタル問題における「延々と被害者認知発言を繰り返す行為」は、その逆になります→自ら過去事例いPTSD効果を派生させようとする試み。
PTSDと違い、それは言語で語られますが、その内容に興奮状態や善悪の判断やことの良し悪しや道徳的興奮などを語れば、似た効果を発生させます。
(これ某国が国挙げてやっているメンタル問題と同じ構図です。)
それを『ルサンチマン』と呼んだりします。

話を前回の『平等論』に戻せば、
極論「何があったとしても、人間は平等であり”どうでもよくないことなどない”(何をしてもどうでもいいって意味じゃありませんよ)」となりますから、
仮に人間関係などの不快事例があったとしても「それは単に誰それとの関係に問題が発生した事例」であり、その人物と今後良好な関係を望む事情でもない限り、「感情的興奮を伴って回顧するような事例ではありません」→「何があったのか」におけつ事実認定をスケールダウンしろって意味ではありません。過去を語る時に「興奮状態や善悪の判断やことの良し悪しや道徳的興奮などを語ってはいけない」という事です。
(※参考:ジャーナリストの心得)
 ↑
何か人がこうあるべしとかの話をしてんじゃありませんよ?
●相談者が、そのメンタル問題を解決したい動機がある場合の話です。
 ↓
勿論その反対に「復讐のために、決して忘れてはいけない」と、意図的にその記憶をルサンチマン化して動機形成の燃料にする判断がある場合には、その逆を行けばいいのです。
(たとえば、仕事上のミスなどで「二度と繰り返してはいけない」とかの事例がある場合、下手したらうっかり日常生活時に忘れかねない過去フォルダに処理させないように、「善悪の判断やことの良し悪しや道徳的興奮などを交えて記憶処理」する方がベターになります。←ましては評論家のように「それが何だったのか」語っている場合じゃないとなる。)

■つまり、本人がそれをメンタル問題の不快と認識せず(この気持ちこそが私のモチベーションなのだと)、そうやって生きていこうとするのであれば「それでいんです」。
「私はこの『階級闘争』に命を賭ける」などなど、意気軒昂で大いに結構な話じゃないですか。
別段心理学は押し売りやら訪問販売とかしてないのですから、
「心理学に用は無い」で終わりです。
「何故、心理学のところなんかにきてるんですか?」って話。

心理学に出番があるのは、
本人もその心理的矛盾や葛藤に悩んでおり、「このままじゃ(考えた先の世界に)通用しない」
しかし、現状の私の自我では”考えて別の認識に至る方向”を何の理由かわからないが、どうしても思いつけない。
「何かがおかしい(どこかに気が付いていない事実認定や問題が隠れている)」
などの認識がある場合に心理学の出番があるんです。
(時にカウンセリングであるとか心理学が、人格障害系の問題を苦手とするのはそれが理由。本人に問題意識が無い場合、心理学だとかカウンセリングの効力は大幅に後退しますから。「無限大反論大会」の闘争に突入することになる。てか、そもそも相談動機の点で通常人格障害的な状況が心理学と接点を持つことは通常無い。)

●時に誤解を生むのは、心理学は「自我のやることなら何でも説明できる」ので、
心理学が答えられない「それはどうしてですか?」の問いは存在しません。
なんでもスラスラ答えられます。
(所詮人のする事で人間は平等ですから。)
この状況を、現象を矮小化しようとしているみたいにですね(こんな誰しもが興奮せざるを得ない話を前にして何故お前は冷静に語れるのか?キチ○じゃないか?みたいな)、突っ込まれるとため息しか出ないワケですよ。
別に好き好んでそうしてるワケでもありませんし、心理学の矜持として第三者であるべきって上位選択があるだけで、実際やっている事は「エスカレートする認知の中和です」から、
典型例のPTSDへの対応考えれば誰でもわかることです。
聞き手がそれ以上に興奮して、エピソード記憶過剰化に貢献してたら「何やってんの」って事ですよね。相談者は「(事実だが)この悪夢からどうやって」と相談にきているんですから。
ましてや聞き手が「そんな酷い!!」なんて合いの手入れてカウンセラーが務まりますかってんです。


人間は平等です、
生命には「等しく生と死が約束されている」のです。
それ以上でもそれ以下でも無い。
ですから、悪夢に現れるような”地獄絵図の印象”も、それを神話や奇跡のスケールでエピソード化しているのは脳であって(どんな凄惨な事件や戦火が報道されても巷に狂人が溢れることはありません・ホラー映画はエンタメジャンルでさえあります)、「どんなにアレなトンデモな事象がそこにあったのだとしてもそれは地球における人類ヒト科が時折やらかす日常のひとつなのは事実なのであり」、更に付け加えると『特別な人』などどこにもおりません。
この世に存在するのは「どうでもいい人ばかり(どうなってもいいという意味じゃありませんよ)」なのであり、等 し く 人 間 で あ る。

※人間が感動含めてこの世の事象を「どうでもいいことだ」と考えるべきみたいな事はこれっぽっちも言ってませんからね。
私が言っているのは「何があったのか?」と自我が過去を語るときの『平等論』の話です。
それは心理学における原則の「結果論には何の意味も無い」に通じるもので、
「あなたがそれを過去に還元したくない事情なり意欲があり(それにちっとも困る事も矛盾も感じず)堂々とその認知でバリバリ動機形成するのであれば、それでいいんです。」
再三申し上げますが、
私が説明しているのは「認知上そこから先を考えることができない」「悪夢やフラッシュバックに悩まされる」などなど、その認知がメンタル問題として表面化した場合の「脳内の情報処理として、強い印象を持ったエピソード記憶であることが問題の場合」のその還元のやり方を説明しているんです。
一種の原則論であって、「空気が美味いとか言いますが、所詮そこにあるのは酸素ですよ」と言った時に「空気が美味いという感動を否定しようなどの思惑は無い」んです。
(どういう現象かと聞かれればそういう答えになるだけ。感動の理由を聞かれればまた別の分析になりますが、)
「空気が美味い」という認知がトリガーとなって、広義の神経症の中で反動や強迫心理などが稼動する状況があった場合(主体的動機形成では無くね)、情報処理として発端となった話を過去に還元する原則論(勿論鉄板の論証であり間違いでは無いが)、そこを説明しているんです。
ジャーナリストや心理学を本業にしていない人は「自由気ままに過去をエピソード記憶として貯留しようが忘れまいと意識しようがどうであっても構わない」のです。
 ↑↓
それこそ、スマホも無くエロ本も自由に読めない厨房がですね、自室に帰ってオナニーする時のために友人の部屋で違法に見たエロ動画やらを「決して忘れまいと目に焼き付ける」なんて事をする場合、所詮それは撮影された演技でそんなアホみたいなSEXしている奴がおるかいなって事実をしんみり考えてちゃいかんワケでしょ(興醒めして興奮フラグが外れるために→「過去フォルダにはいっちゃうじゃないか、これじゃ脳のフラッシュバック機能を使ってオナニーしようという目論見が台無しじゃないか!」って事ですよ)。
しかし、一種のフェチ的トリガーとして、何らかの何が原因で射精不能の症状を併発しているとか、それをメンタル問題として本人がどうにかならないものかと問題提起している場合、「それはこういうことです」って説明は『平等論』的な「この世にどうでもよくないことなどない(どうでもいいって意味じゃないよ)」的な、事実認定をエスカレート構造から中和・還元する手法が”必要”になるワケです。
 ↑
この原理原則を説明しているのであって、普段から人はそうであるべきだみたいな事はいっこも話していませんから。


■さて、そうなると『幸福論』的に、
もう疲れたので、これは次回にしましょう。
読んでる皆さんもド長文で疲れたでしょう。
乱文失礼いたしました。



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