2015年08月19日

戦争と平和

前提として以下過去記事も関連事項参照
戦争における発砲率とかいう話
http://kagewari.seesaa.net/article/421123514.html



■「平和的共存」←これが成功するためには経済学的成長などの根拠が不可欠です。
何故なら基本的に紛争の始まりは「食えないから」に尽きるからです。
権力の側から言えば「食わせられない(=反乱により権力を保持できなくなる)」、
先進国が所謂総力戦の全面戦争など以降あり得なくなった原因は「先進国において食えないなんて事が(経済政策的に)あり得ないから」です。
諸外国、とりわけ中東などに見られる紛争は違っているのでは?というご意見の方もいらっしゃるかと思いますが、所謂「モスリムにおける世俗主義」というのも、キリスト教における(特に米国)「カルヴァン主義」についても、文明化・先進国化に至る経済政策と宗教的戒律との間にどうやって整合性を持たせるかって話なのであり(ご存知のように文明化は=確実に将来『共同幻想』を崩壊させるため)『共同幻想』保守派にとっては苦い薬に違いありません。
(考えるまでも無く文明化を否定すれば生産性が向上する可能性は皆無ですから、「食えない事を受容するか、戦端を開くか」しか積極的な拡張政策は無く、そのいずれも「平和的共存」とは言えない。)

しかし、なんだかんだと「平和的共存」の可能性は「自国生産や交易で平和的に食えるのか」に尽きるのですから大きな方向性は「いかに文明化と実効性のある経済政策を導入できるか」、宗教的伝統のある国家においても激しい格闘や論争が繰り広げられてきた訳です。
その反対に「戦争の可能性」はどっかの国が食えなくなる可能性となります(=伝統保守系『共同幻想』を原理主義的なまま温存可能)。
東アジアにおいて明らかに問題になりそうなのはロシア・中国・朝鮮半島です。
■東西冷戦時代になんだかんだ結果論としての平和的な共存が時折見えたのは、ひとえに東側陣営が秘密警察などで反論を押さえ込んでいたことと(国内で平和的共存とは言えない状態をやらかしてくれた)、西側陣営にはケインズ主義という経済政策が有効だったからです。

所謂パワーポリティクス的に覇権を握る国家の経済状況がトンデモな余裕を持てば、周辺諸国や属国に対して大盤振る舞いで「食える保障」を連発ですますから(戦後のアメリカです)、それは「平和的共存」となります。
言い方変えればダントツで経済的成長を(他国と貿易戦争など発生させず成功)維持可能であれば、周辺諸国に対しても平和の分配が可能になります。

マクロとミクロの中間的分析として、
■「業界内での平和的共存」を考えると、そのまんま国家間紛争のシミュレーションになります。
たとえば、高度経済成長時代で車のメーカーが複数共存可能な時代には、たとえメーカー間の競争が激しくても「負けた側が食えなくなることは無い」ため、せいぜいが「社の名誉をかけた戦い」となるだけで、過当競争になったり(EUみたいに)業界大再編成なんて必要もありません(その代わりこの時代の日本はその後日米貿易摩擦になったけれど)。
上記の場合は、個性的な会社が競争に少々負けたとしても大きな傷を負わない「名誉をかけた戦い」にいそしむだけです。
しかし、低成長時代となりグローバリズムの中で「生きるか死ぬかの激烈な競争」となれば、食えなくなるかもしれない圧力かかりますから、その競争も洒落にならないものとなり「負ければ倒産」も覚悟する事になります。←さならが戦争です。
(日米貿易摩擦の時に、米国が日本に内需拡大を求めたのはとても合理的な話だった。)

中東を巡るここ100年近い争いも、世界経済の命脈でもあるエネルギーが関係しているからで、俯瞰で見れば「世界的スケールの中で食えるのか食えなくなるのか」的な視点の中、あーでもないこーでもないとなってきたんです。
(ヘゲモニーという点で支配者となるための富の独占競争も事の発端は「生命線となる何かがあっての話」ですからね。)
実に単純な話で、
世界的に好景気の間は地域紛争も起き難く、戦争や紛争の可能性が高まるのは「不況」を発端とします(WW2だって発端は世界恐慌です)。

■最も戦争を抑止し平和的共存が可能な社会実現の方法は「持続的成長可能な経済学の発明」です。
(そしてその政策実現を担保する政治体制も鍵となるでしょう。)
残念な事に、今のところ巷の経済政策ってのは「財政破綻→デフォルト→インフレ→通過暴落により貿易回復→経済成長→財政肥大化→財政破綻→デフォルト、、、」みたいに、好景気不景気の循環の中でなんとなく無理筋な帳尻が合うみたいな仕組みなので、近代では半ば戦争もその循環に含まれるかのような状況もあった。

つまりですね、
憲法9条では世界の人がお腹一杯食えるようにならんのです(戦後が平和だった最大の原因は米国の需要が日本の生産拡大を支えていたからです)。バックグラウンドも考えず9条さえあれば平和になるかのような発想は宗教以外の何者でもありません。
日本における憲法9条が示唆したものは、「日米安保という集団的安全保障と軽武装による軍事予算縮減によって予算をケインズ的な投資に潤沢に投入できた」という事なんでありまして(そして需要は米国がカバーしてくれた)、憲法9条の理念が高尚だからなんだかんだとか情緒的な話は全く関係ありません。重要だったのは日本は資金を設備投資に全力投球できたってところのが大きい(国防予算も軽武装でもよかったワケだし)。

何度も書きますけれど、
(冒頭リンク過去記事「戦争における発砲率とかいう話」参照)
極端に言えば「バーサーカー状態にでもならない限り」先進国の軍隊は容易に人も殺せません。
(WW2時代の米国は人種偏見もあって日本を焦土化する計画もあったぐらいですが、とてもじゃないが現代ではあり得ない話です。)
この傾向は高度情報化社会の中、どんどん上昇するでしょう。
10年20年もすれば先進国の軍隊は「今回の紛争に関わる戦闘行為と平時当該国の交通事故死傷数を比較に出すだろう」とさえ思います。
攻撃目標は軍事インフラや兵器そのものに集中し、兵士すらそうそう死なないようになるでしょう(先進国の兵士の数がどれだけ少ないかって話もあります)。←通常の軍隊は戦争していない状態がデフォですから、戦争・紛争などを含む長期統計で「50年平均した場合の死傷率と一般的に危険職と思われる業界との比較」なんて話すら出てくるかも知れません。
(少なくともパワードスーツの開発により、兵員は防弾フルアーマー装備になる事も予想されますから、負傷による投降では無く「パワードスーツの破戒・戦闘不能による投降へ」変容する可能性もあります。)

■所謂左翼メディアが扇動する戦争の悲劇とは、世界が帝国時代だった頃の「総力戦の全面戦争」に限った話で、前述のとおり間違っても現代では(戦争犯罪になるので)都市に対する絨毯爆撃や原爆の投下なんて事はできません(あの当時の戦争ってのは戦争の歴史の中でも異例な出来事ですから)。
現代社会がウィキリークスの時代だって事も重要な用件になっているでしょう(軍部や政府のマスコミ操作もバレちゃうんだから)。
現代世界においても残虐として知られるISISはおおよそ国とも呼べず、その内容も典型的な中二的反動主義であり、スローガンも「文明化を否定するもの」ですから今回の話の逆さまを行ってる事は説明の必要もありません。

■つまり、左翼メディアのみなさんは「9条とかはどうでもいいから、安全保障上リスクのある地域の経済成長モデルと、安定的な政策実行可能な政治体制の確立」というようなものを保障する論拠を明示できなければ、ただひたすら誰にとっても迷惑なだけの存在になっちゃうワケです。
ある意味、平和ってものを最も軽視して言葉遊びをしているのは左翼メディアのみなさんですよ。
北東アジア・東南アジアの平和のために必要な事は、
「軍政や独裁政権無しに政治が安定しない国の安定的民主化のアイデア」であり、
「最も重要な事は、文明化・経済成長モデルの提供」であり、
「軍部の暴走を予見させるような国家の内政問題の解決」であり、
「そのまんま食えそうにない国家をこのまま放置できないこと」であり、
「北朝鮮をどうするの?」って話だったり、
「ロシアがな〜」って話でしょ。
これらにさ、9条とか全然効果無いから。
関係するいずれの国も核武装を放棄しようなんて考えてもいないし。

少なくとも安全保障だけでも常に国際的な枠組みで話ができるようにと考えてる安倍ちゃんの方が(そりゃ手法は保守派の発想だけど)真面目に考えていると思うよ?
仮に左翼メディアが「9条による平和」を唱えるのなら、真っ先に「中国に対して民主化と憲法9条の導入を求め続ける運動」なりしてごらんなさいよ。。
(前にも書いたけどさ、9条の本質は「最も危ない国日本の武装解除したからもう世界は安心だね」的な意味だけであってさ、、、てか左翼メディアの諸君は日本が武装解除したら世界が平和になると今でも思っているのかね。てか、それじゃ日米安保も維持できなくなるんでずぜ?)


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