2010年10月03日

市場経済といっても根本は需要なんですから

国家経済で考えれば所得分配も投資の一種と考えていい(公共投資は事実上所得分配政策)。シンプルに考えれば財政出動で「需要ありき」の政策もあるし、新自由主義ですら減税政策による需要増を織り込む。
経済政策的には”国内経済対策”であり、同時に経済政策と言えば真っ先に同様政策が並ぶ。
ところがグローバル(覇権主義的)経済概念の登場で、認識が混乱している向きがある。
もっぱらグローバル経済なる代物は国是として覇権主義的思惑のある国家なり国家群の話であって、日本のように集団的安全保障の概念すら持たない国には「はなから関係無い」話で、所謂グローバル主義的な国際競争力など「本来どうでもいい話」です。
 ↓
どうでもいい証明として、やれ経済政策だと言えば国内経済の需要増の話になっておるじゃないですか。
(そんなにグルーバル主義が重要ならば、日本の輸出先の需要喚起でODAであるとか対外援助を大幅増する方が筋論ですが、景気悪化したので”大規模対外援助”など聞いたことが無い:現在の韓国経済・中国経済の基礎に日本が大きな役割を果たしたのは又別の概念の話)

二枚舌とまで言いませんが、
主張している本人が話の整合性が崩壊している事に気が付かないらしい。
文明論として『先進国化』が語られたときは又全然違う話になっていた筈です。
(『先進国化』と呼べば聞こえはいいが事実上自由経済ルールにおける帝国主義において勝者であるという事でしょ)
『先進国化』ってのは企業で言えば自己資本率も高く内部留保も十分なので、株式公開は止めましたって話な訳で、事実日本は資本に困る事は無く(国際も国内で消化できる)、国内インフラ整備で世銀にお世話になるとかそういう話とは無縁です。
郵政改革論議もその筋のせめぎ合いだった。
(郵政資金をグローバル経済に流すのか国内経済資本として使うかの論議)

巷にはアンチグローバル主義を鎖国主義だと誤認している人も随分多いようですが、
グローバル主義=覇権主義なのであって「まだまだ侵略しますよ」って意味になる。
日本は憲法9条もそうだが、集団的安全保障も無い国なので覇権も何もね隣国の経済乗っ取ってもその国と集団的安全保障関係を持つ事できないのすから「何が面白くて覇権主義なのか」って笑われますよ。
「お得意様が増えました」ってそういう話じゃ無いんだから。

『先進国化』に話を戻すと、
当時は「先進国は大量生産経済からテイクオフして多品種少量生産により単価の高い製品に特化していく」って話だったんじゃありませんか?
これはですね=対外的に言えば先進国間だけに流通可能な高級品って意味です。
なので中国の市場がどうこうって狂乱する目先の利食い(半ばギャンブル)に右往左往する必要は最初から無いのであって、
(中国の日本製品需要層もそう望んでいる筈です→秋葉原まで購入した日本製品が中国製じゃ彼らの満足度もげんなりでしょう)
=『日本ガラパゴス化』で全然いんですよ。

日本にとって北米市場が重要だった時って先進国へテイクオフするための高度経済成長時代であって、北米市場は北米工場で生産するようになって以来(北米工場はもう北米の会社なんだから)経済政策論議する上で「国際競争力」など無関係だったんです。
デフレ経済の中ですっかり廉価な輸入品の需要は高いですが、それは国内経済における所得分配率が下がっているからで(端的に言えば給料の払いが悪い)、十分な所得があれば好んで廉価な商品が好まれる事は無い。
(秋葉原で言うところの”バルク”のように流通的に自己責任リスク込みの安さってのは別ですが)

人の心理として「○○の懸賞で商品券があたった」みたいな状況では、買おうと思っていた商材の中から商品券の額の中目一杯高性能の商品を探すのが道理であって、デフレ的な安価な商材開発があたかも国際競争力みたいな論議になると、
日本製=第三世界の商材とレベルも同じってアホみたいな話になる。
日本が発展途上国とも呼べるレベルだった当時輸入品と言えば『高価・高級』の代名詞ではなかったか、そんな輸入品を指して国際競争力が無いなどと言う人はいなかった。
本来は国内市場向けだからこそ高級品の開発が進む経済循環になってない方がおかしい。
当時と比べて技術格差が縮まっているのは確かだけれど、日本の自動車市場は圧倒的に国産車であって国産寡占は流通障壁を割り引いても成立可能だ。
前から話している論議ですが『当時と比べて技術格差が縮まっている』=『先進国としてテイクオフも早い』=『早晩人件費も先進国水準となる』結果”同じになる”んですよ。
ILOもしっかりしろと、
(既に中国は人件費が高いとして生産拠点を他の新興国に移す動きが始まっている→地球には無限に新興国があるのじゃありませんよって、結論「人件費の安い海外に生産拠点を」って論法自体は一巡してナンセンスになるんですから)
 ↓
昨今の日本経済の問題は、国際競争力などでは無く先進国として循環するべき規模の所得(需要)がどこかへ消えている事でしょう。

言葉は悪いが東西冷戦時代を運よく生き延びて、同時に第二次世界対戦への関与が敗戦により間接的に肯定されるような寸法で(侵略行為が肯定されるって意味じゃ無いです、アジアを中心としたパワーバランスを変えたって結果論と占領時代のインフラ投資の話)、日本はひょうたんからこまのように先進国になった。
※バブル経済の時に政策誘導に失敗しなければこんな事にはならなかった。前川リポートが話題なった時にさらに踏み込んだ論議があれば全然違った状況になったでしょう。

バブルの発生に話を戻せば、所得に見合った商品が不足するほどだったのでありこの時代に経団連などが外需依存型企業から内需系企業へシフトしているだけでも事情は違ったと思う。
税収規模で言えば当時から大幅に収縮してしまっているのであって、
これは経済政策の失策以外の何物でも無い。
(バブル破綻の後遺症と言えばそれまでだが)
いっそ国際競争力などという言葉を禁句にしてみたらどうだろう。
ガラパゴスだからこそ強化される経済って世界もある。


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posted by kagewari at 17:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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