2010年06月16日

経済学と国家財政(後)

財政って部分を言えば、再び住宅ローンを引き合いに出しますが、
「つまるところ返済は大丈夫か」なる”運営”というか”実体”というか”見込み”があるかどうかが重要で、額の問題じゃありません。
日本の財政を考える場合、額がどうこうとか緊縮財政で赤字国債発行額が幾らであるとか単年度ベースの話には全く意味が無いんですよ。
税収がどれだけ上がるのかって、所謂会社にたとえれば収益性がポイントになります。
(現在進んでいる論議はその収益を諸費税に頼ろうって話ですが、消費税によりリニアに収入が増えると考えるためには同時に景気が上昇する事を担保しないと→消費の冷え込みで相殺されるだけの話になってしまう)
※所得税に対して消費税の優位性のひとつが徴収コストや効率のよさが挙げられるなど、根本は税収が上がるかってところにあって、増税さえすれば税収が上がるなんて簡単なものじゃありません。

経済は”賭け”ですから、
堅い運用ばかりだと「回らない」のです。
これは資本杉経済の宿命で、
なんていいますか、多聞にインチキ話的要素を含むものが経済学なんてもので(基本は投資に始まるんですから)、経済政策とは「何に賭けるのか」って話なんですよ。
日本の経済が強い時代の話に台頭していた消費税10%論議(もう10年以上前からの論議ですよこれ)、これは消費税10%により将来的に問題となる福祉関連(とりわけ年金の破綻)のコストが十分にまかなえるから台頭したのであって、直金の赤字財政をどうこうするって埋め合わせの論議じゃありません。
社会福祉関係の(給与からの年金天引き廃止など)制度的改正とパッケージで論議されていたんですよ。
選択的累進性というか→所得の高い人が高額の年金を求めるなら「自分で積み立て額の大きい民間年金に加入してくれ」って方式。
基礎部分を大きく(国民年金部分を10万前後まで引き上げる)して、ここを全額消費税で賄う。
 ↓
給与天引きを廃止すれば手取りは大きくなるので消費額を抑えることで支払額を調整できる消費税の方が定額所得者も自己選択で節税も可能(デフレ時代ならより対処しやすいので、手取りを大きくする方が政策的意味は大きい)、消費税増税はそれに代わる可処分所得の向上を前提としなくちゃいかんのです(そうしないと消費が冷え込み意味が無い)。

しかし昨今の論議の場合、外需依存型の企業にとって(消費税は当該国での課税なので輸出企業の場合国内消費税は還付される→事実上消費税が何%でも彼らには関係無いんですよ)、どうでもいい話なものだから経済界は調子よく「消費税をあげるべきだ」なんて無責任な論議をしてますが、これは無茶苦茶な話なです。
■昨今台頭している消費税増税論議は全く別のものだって事ですよ。
(少なくとも年金制度の抜本的改革の後から始めないといけない:厚生年金企業負担などの見直しで企業の正社員雇用コストを引き下げ同時に失業率の改善を目論む。企業対策は法人税減税で考えるのではなく、年金の制度改正の中で検討するべきでしょう。法人税は引きあげる事はあっても引き下げるべきでは無い。累進法人税は本気で考えた方がいい。)

のように以前から語られていた消費税10%論議ってのは、
基礎年金部分を国費100%とするなど(年金の基金を個人から徴収することを廃止する)、制度改正とパッケージで行うべきものと同時に、『内需型経済へのシフト』が必須なんです。
(外需依存型企業は、消費税増税による税収増に関して役に立たないため)

かといって内需刺激策の定番である公共事業には投資効果が薄れ(赤字空港などとなると投資効果どころか継続的赤字投資になってしまう)、確かに内需刺激策ではあるんですが、なかなかどうして「経済の循環」に対して適性とは言えない。

というか、
第三世界じゃないのですから、それほど大きな投資効果のある公共投資なんてそんなに無いんです。ですから経済効率的には「投資額に占める所得分配率の高い投資」ほど効果が高い事になります。『福祉経済』とはそんなところからきている話で、労働集約率も高いため失業率の改善にも関係し、同時に設備的な改装需要も見込めますから建築業関連にもその投資効果は波及するでしょう。

国家財政をバランスシート見て単年度の帳尻あわせを目的に政策を考えても何も得るものは無い。

(※菅政権にはそもそも最初から政治主導の期待値が低いので、当然菅首相も消費税の論議と年金など社会福祉政策の一体の改正は念頭にあるワケですが、それを錦の御旗に”財務省主導の別の話”になってしまう可能性も高く、どうにもこの辺は心配:閣僚スタッフから心配な面々ですからね、、現実は「難しいことは参院選の後で」ってことなので、さてどうなることやら。。)



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
posted by kagewari at 19:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック
comments他

・コメント欄は『公開掲示板』同様に原則削除禁止です
(基本的に削除依頼には応じられません、削除依頼は投稿禁止ワードとなってます)

・SPAM対策として一部キャリアからの投稿がIP規制の対象となってます
(同規制キャリアから登録抜けによる投稿がある場合、投稿は自動削除されると同時に規制IPに追加登録されます)



現在コメント欄閉鎖中 (2014.7.26〜)




kagewari01
タグクラウド
RDF Site Summary
RSS 2.0