2009年08月14日

芸能人のニュースもあれこれで、

近代から現代への高度経済成長期にはまだ『権威主義的集合性』のような意識が国家にあったので(当時で言えば帝国主義国家)、
日本においても力道山や美空ひばり石原裕次郎〜長嶋茂雄のような”大スター”が存在した。
心理的な背景である『権威主義的集合性』の崩壊は、
「カリスマ」なんて言葉が一般用語で使われる(もちろん矛盾しているんだけれど)ようになって完全に崩壊、
音楽の世界は大スターからインディ系バンドの時代に変遷し、
政治の舞台も突出する個人から政党含む政策(あるいはそれを実行可能とする”実効性ある権力”)の時代へ突入中、

アメリカハリウッドやTVドラマにおいても、明快な主人公を置くシナリオから「複数主人公・同時平行複数ストーリー性」が中心となりつつあって、所謂大スター(ジョンウィインであるとかジェームスディーンや歌手だけどエルビスもそうでしょう)物ってジャンルも後退し、巨匠って存在も随分小ぶりになっている。

そんな中昨今の芸能人の薬物関連ニュースは下手な刑事ドラマの脚本でそのまま使えそうな話になっていて、その劇場性を増している要素のひとつは「妙にリアリティーがある」からだろう。芸能人なる存在が随分身近に「あれあれそういうこと?」みたいな存在になっているからで、権威主義的集合性なるものは”所謂芸能人”には存在しなくなった。
(そもそも鶴田浩二さんなら「芸能人」等と呼ばせなかったでしょう)
芸術家としてのリアルな仕事(俳優一筋等)が無い事にはリスペクトされないのが自然であって、本来至極当たり前な状況に落ち着いたというのがホントのところ。
「ハリウッド映画に出演」なんてタイトルも早晩たいした意味を持たなくなると思う。どれだけ演技やら俳優としての”何”が評価されているのかって事なのだから、
※再び映画が商業ベースに乗り始めるなど現実は明快に変化しつつあった

日本の政治も「いよいよ政権交代前夜」な状況で、
果たして二大政党制が確立するのかはともかく(自民が一度崩壊する可能性があるので)、ダイナミズムの方向性は『一票によって政権が選択される』”雰囲気”も今後定着していくでしょう。
事『共同幻想』にとってはそのカウンターが”雰囲気”であっても現実化の可能性を提示すれば共同幻想の所以そのものが崩壊してしまうので(普遍性幻想がマスト)、実質的に二度と元の合意性を保つ事はできない。
これは当事者についてもそうで、自民党議員にも民主党議員にもその現実化の可能性の”雰囲気”はひとつの合意形成として成立していくので(普遍性な”雰囲気”は無いので新たな共同幻想が成立するほどじゃない)、国政ってものも昨今の芸能人ニュースのようなわかりやすさを発揮していくんでしょう。
※そういう意味では某北海道選出議員の酩酊会見はそんな劇場性を先取りしていた

時代は変わり「私将来は芸能人になりたい」なる言葉の意味が、てんで意味合いが変質している昨今(それこそ可愛らしい坊やが某ジャニーズなんとやらなんて話をし出せば身近なものは即座に別の意味の心配するのがデフォになっている)、
昭和を代表する成り上がり的な立身出世の夢(社会的な”夢”は共同幻想とワンセットになる事が多い)
『プロ野球選手』
『プロボクサー』
『映画スター』
(サラリーマン的には”社長”さん)
そんな世界も根底から崩れ果てたと言えるんだろう。
渇望するほどの貧困も無くなったからです(自由経済的所得格差は概念が違っている)、

現代社会は「本当に野球が好きなプロフェッショナル」のように”成り上がるのもの”ではなくて、本人の深い競技への理解等プロスポーツへの哲学無しにリスペクトも得られない(実際にネタ選手みたいな存在も過去にはあった)、相対『リアルプロスポーツ選手』のような別の存在が本当の姿として認知されめている。
(昭和のプロ野球選手は所属球団の”看板選手”でなければリアルじゃなかった)

思えば、昨今報道を賑わしている芸能人事件の当事者のみなさんは「どうして芸能人になりたかったのだろう?」と、何がしたかったのかはっきりわからない所属不明な雰囲気がそのまま存在の希薄さ(記憶に対する所有権の希薄さみたいな)に繋がっていたのかもしれない。
『リアル芸能人』って言葉が言葉として成立しないように、TVメディアの衰退とともに”タレント”の皆さんは(”TVタレント”ってのも妙な言葉だった)、プロ野球選手や国会議員の言葉の意味が変わっていくようにリアルな職業に戻っていくんだろね(バラエティーって意味不明のコンテンツは消えていくでしょ)、「所謂ひとつの芸能人」って存在も昭和共同幻想の残滓に違い無い。
posted by kagewari at 16:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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