2008年07月23日

プロスポーツにおけるメンタルから考えてみる

ひょっとして精神的悩みとは別物と考えている人もいるかもしれないが、
プロスポーツにおけるメンタルもその構造は精神的な悩みと何ら違いが無い。
ある意味結果として見るならスポーツを題材にした方がわかりやすい部分もあるので、今回はそんな方向から考えてみる。

俺はヤクルトスワローズの時からの「野村ファン」なので、現在のところプロ野球では楽天イーグルスファンとこうなります、ハイ。
これまでもメンタルな問題考える時に古田や今岡なんかの話してきているので、こういった話は最初じゃ無いのだけれども、野球というスポーツの中でも個として単独になる形が顕著なピッチャーというポジションをテーマにしてみようと思う。

プロスポーツの世界に顕著なのが『ドラフト上位なのにさっぱりダメなタイプ』で、当然破格の契約金で即戦力評価されている素材があるワケだけれど、あてが外れて数字が振るわないどころか”全くダメ”や”突然ダメ”な状況に陥るケースも珍しくない。
大概こういう時スポーツの世界でも「メンタルだな」と分析されるケースが多い。
楽天でいえば一場であり、昨日の試合でちょっとこりゃ、、だった長谷部だったり(こちらはその日の急性)、わりかし現在の楽天には結構このタイプが多い。
ノムさん曰く「チキンハートグループ」
一般的に誤解されがちなのは普段から一般名詞でよく使われる”気の弱いタイプ”かと思われがちだけれども、決してそうではない(抑えの小山あたりは気が強くずうずうしい一面もあると聞く)。
各人格タイプもなんせプロ野球選手なのだから、突出して個性的とも言えるのでそのキャラクターにも当然共通項は無い。

じゃいったい何が起きているのか?
プロ野球のピッチャー全般に言える現象に
「勝ち投手の権利のかかる5回に乱れる」
「見方が点を取った次の回の先頭バッターを簡単に出して失点する」
こういった王道がある。
共通しているのは”自分にとって都合のいい有利な状況”にメンタルな問題が頻発している事になる。
一場投手がファーム落ちした伝説的な試合と言えば「見方チームが7点先行した後”既に勝敗が決した後”に大乱調→その後本当に負けてしまった」事例。
直近の事例だと昨日の長谷部大乱調は、見方がホームランで逆転した直後に起きた。
この二つの現象にはもうひとつ共通点がある、
「両方ともピッチャー誰しもが不安定になる”立ち上がり”の早い回に発生」、

この現象を分析してみると、
「打たれたらどうしよう」なる弱気が原因で大乱調になっている等という短絡的な話じゃ無い事は容易に証明できる。一場のケースは「彼の能力から逆算される平均的防御率から見ればその点差で”どうやったら負けるのか”それを想像する方が難しい状況」だったし、昨日の長谷部乱調は「対戦相手のピッチャーが西武のエース涌井で、どちらかと言えば自分が格下(1点リードした事自体にそれほど意味が無い)」、
重要な点はこの両者の乱れ方が『打たれたのじゃなく、延々とフォアボールを出して押し出しして失点した』ところにある。
それこそ「打たれるのが怖くて押し出しして失点してしまった」
これ確率的に打たれて失点する方が難しく、自分でファオボールで失点するのは100%容易なのであって、外から見れば”ワザと負けるように必死に努力した”ようにすら見えてしまう。
(ピッチャーにとっては勝ち負けの方がよっぽど重要なので目先打たれる事自体それほど深刻な問題ではない)

この謎を解き明かす鍵が偶然昨日の試合にあった
事実上長谷部大乱調により試合が壊れかけている状況で運悪く当番した中継ぎピッチャーの松本の投球だ、
中継ぎピッチャーの松本は長谷部の後を継いで(まー今日は負けだろうって状況の中)敗戦処理的に登板する事になるんだけれど、自らもいきなり押し出しフォアボールを出して「結果としてこの回二人のピッチャーは”四死球6ヒット6で11失点”というちょっと天文学的効率の良さで失点した(練習のフリーバッティングでもこううまくはいかない)」、
事、松本氏にとっては「こんな試合でご苦労さん」ぐらいなもので、試合が壊れた責任は長谷部君で確定していたのに何故大乱調が彼にも伝染したのか?

つまりプロスポーツ選手ってぐらいだから、当然反動形成を「偶然実現するスーパーな才能」に恵まれてしまった特異な状況下にあるのだから”文字どおりのスーパーヒーロー欲求”を彼らは内面に温存している。
彼らの”現実”がなにせそれを実現可能としているので、そういった誇大視はむしろプロスポーツなんて世界にとって必要条件の一つでもある。

■『才能があるが故に大乱調を想像してしまう』
構造的な悩みとの違いは(楽天のピッチャーには本当の意味でメンタルな問題を抱えている選手も別にいるんだけれど)「マウンド上で急性に発現する」部分にある。
彼らはチーム同士の紅白戦やファームのゲームでは快刀乱麻のナイスピッチングをするのだし、昨日突然乱れた長谷部のケースなら前回の登板等そんな大乱調の予感すらなかった(元来コントロールのいい人)。
特定条件が環境としてそろった時「急性で発現するワケだ」
この時彼らは「常人ではマネのできない誇大な負けパターンを直観像のように無意識に抱えている」のだと考えていい。

逆さまに言えば?
「それだけ大成功(完封勝利)のイメージもやたら強い人」と言える、
(ここは今岡事例で証明済み)
次なる疑問
これがベテランで敗戦処理を今やっている中継ぎの松本氏に何故伝染したのか?
「(次を引き継いだ責任感から)長谷部のゲーム(だと思った)」からでしょうね、
松本氏は”自分の役割を思い出して”次の回からはスイスイと4イニングを1失点でまとめています(笑
彼は登板した直後イニングに残っていた「長谷部のランナー」の連想から、その時”長谷部スケール”に自分自身の現実認知を”のまれた”。

全ては類稀なる創造力や想像力(ある意味才能)の産物なんですが、
「そのイメージ力のリアリティーを前に自分でも興奮してしまった(パニック)」ところが直接の原因になるかと、
そんな折、
ファームのゲームでは快刀乱麻の筈の一場君が炎上した。
巨人戦で李承Yに打たれている、「一軍のゲームを連想させてしまった」のかもしれない(田中の故障もあってここでキッチリいっていたら即一軍間違い無いところだったのに、、)。

思うにプロ野球選手のような「反動形成も才能のうち」なタイプの人格にとっては、自意識でこれを”乗りこなす”というか”自分のモノにする”ようなハードな部分が必要なんでしょう。
ちょうどここのポイントは心理的な悩みに対しても同じだと言える、
■ここの手法もいつぞや話した野村型・西武(デーブ)型・付け加えると落合的猛練習型等様々な方法がある。
無論野村型は「意識付け=自意識マターの確立」
西武(デーブ)型は「ありそうなレベルの最大の成功(ホームラン)意識による反動抑制」
落合的猛練習「嫌ってほど現実を叩きこんで、練習により反抗的に反動形成を現実適応させる(これ逆に倍近く練習しないとプロ野球選手特有の”反動形成も才能のうち”も一緒にスポイルする心配もある)→借金しても苦労する」等がある。

反動形成のプロセスは無意識的なものなので、これを強迫構造的に捉えていけば「無意識と自意識の関係」としてそのまま心理的な悩みの事例への対策としてあり得る発想。
こういう”戦術的選択”ってものを”戦略的に意識する”なんてことを考えるのも自意識の”仕事”なのだろう。
posted by kagewari at 21:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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