2004年07月09日

トラウマ論再び

前にも触れましたが、PTSDじゃないですが、同じ体験に比例した外傷を受ける事はありません。トラウマに該当する事件は「ダメ押し」であって、コアでは無いって話の続きです。

『象徴的事件』こういったものが歴史にもあります。
2.26事件、三島事件、浅間山荘、3億円事件
これらの話を説明するのに、時代背景が重要だって事に意義を感じる人はあまりいないと思う。

個人でも同じです。「背景(ビヘイビアー)」を抜きに事件だけから、それ以降の経緯を説明するには無理があるんです。
しかし『トラウマ』と呼ばれる現象は確かにあります。最も不快な記憶としてフラッシュバックしたり、連想されるものが不快感の一部を再現してしまったり、、。無意識の話を軽く整理すると、こうなります。
保守思想じゃないですが「この方がいい」だけを受け入れて、その根拠を「あたり前」とか「伝統」とかにした場合、一介の個人ではその「いいだろう理由」は曖昧なままになります。「いいだろう理由」を個人が簡単に理解できたら大変です、文化人類学の修士コースじゃないんですから。
肝心の理由は「あうん」だったりします。
例としては正しくないのですが、根拠や記憶の元になる原体験は大事ではなく、それから会得する理念だけが「自我マター」になる事は、不思議でも何でもないのです。

極論、悩みを持つ人のみ、その解消のために「種明かし」のように、自分の思いの根拠を確認する過程が必要になるとも言えるんです。
確かにそれは、権威(常識)に個人(エゴ)が対峙する事になりますから、個人で行うには大変で、「これが悩んでいる現象の『裏』じゃないのか」と目の端に入った瞬間から自信が無くなります(抑圧バネ)。そこを確認する意味で第三者の介在が効果的なんです。
一般に相談は、親友や家族間で行われますが、彼らは「悩んでいる常識の関係者」である事が多いので、逆効果になる可能性も少なくありません。つまり「彼らは自信を喪失させる役割である事が多いから」です。

ここまでの話が『トラウマ』にかかります。
常識や道徳は、自我を強制し支配する存在です。
「トラウマと躾」
ここに混乱が起きます。トラウマの体験を「罰」と認識するとそのレベルに応じて、症状は重くなると考えていいでしょう。元々「何か漠然とした基準に自分は足りていない」等の意味不明の不安があったりすると「いつかきっと」という現実的な不安感に繋がり、不快体験が「トラウマ化」する『背景』になります。

しかし意識をトラウマ以前に持っていこうとすると、トラウマの記憶が『門番』の働きをし、それ以上記憶を遡らせないように思考をはねつけます。

こころのどこかに、この『門番』を必要とする流れがあったとしたら?
「無意識に」不快な体験に知らず知らずに近づいていたのかも知れないのです。この点ばかりは証明できませんが、原則として「不安より対象のはっきりした恐怖の方が心理的に楽である」と言えるのです。
極端に言えば「不安はその証拠となる恐怖を求める傾向がある」と言い換えられる。何故なのかといえば「不安は杞憂で勘違いかも知れない」という意識も当然あるので、「心配が無い事を、あえて難しい状況で確認してみたい」という感情を感じたとしても不思議じゃないからです。

この相反する感情は、誰の何なのでしょう。
「確かめる」ものは何だったのでしょう。
自己嫌悪が背景にあるなら、「やっぱりダメなんだ」である可能性が高く、嫌悪意識は抑圧されていて自覚できませんから、意識には「きっとだいじょうぶだ」と感情が反転している可能性もあるんです。

ですから、「トラウマ解消」等と言って、不快体験に正面から向き合うのは危険だと俺は思う。
「それ以前の、それ以降の話」にこそ、そのトラウマへの抵抗力を身につける鍵があるに違いないのではないか。
posted by kagewari at 04:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 心理学テキスト「Why not」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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所謂臨床系の言うところの行動療法ってほど堅い話ではありませんが期待感あるアプローチだと思います
自我と時間』参照




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